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Ethereum Classicで100ブロック超の再編成(reorg)が発生し二重支払いなどの報告も、ネットワーク安定化に向けて調査継続中

各仮想通貨交換所やマイニングプールへ承認数の一時的な引き上げを推奨

編集部からのお知らせ: 記事初出時、Ethereum Classic開発者は本件をセルフィッシュマイニングによるものとし、51%攻撃を否定していました。1月8日午後、さらなる再編成の発生やCoinbaseによる調査報告のアップデートを受けて、同日中に51%攻撃を否定する旨の主張を取り下げています。本件における被害の詳細については、Coinbaseの調査報告を基にした続報をご確認ください。

 Ethereum Classic開発者は1月8日、仮想通貨Ethereum Classic(ETC)に対するセルフィッシュマイニングを検出し、100ブロックを超える再編成(reorg)により同ネットワークが不安定な状態にあることを発表した。Ethereum Classic(ETC)を取り扱う仮想通貨交換所やマイニングプールに対して、ネットワークが安定するまで承認(Confirmation)数の引き上げを呼びかけている。Ethereum ClassicはTwitter上で本件の一部始終を発表し、真相の究明に向けて調査中としている。

 本件は日本時間1月7日14時頃、中国のブロックチェーンセキュリティ企業「SlowMist」から、Ethereum Classicに向けて「Ethereum Classic(ETC)ネットワークが51%攻撃の標的になっている」という警告が寄せられたことに端を発する。

Ethereum Classic(ETC)の再編成(reorg)発生状況(1月8日13時30分時点)blockscout.comより

 同日、Ethereum Classic(ETC)上で100ブロック超の再編成が確認された。これを受けたEthereum Classicは、仮想通貨交換所やマイニングプールに対してユーザー資産を保護するために一時的な承認数の引き上げを呼びかけた。国内でもEthereum Classic(ETC)を扱う「Coincheck」と「bitFlyer」がETC入出金を一時停止するなどの対応を実施している。

 その後の調査によって、Ethereum Classicは本件が悪意ある51%攻撃ではなくセルフィッシュマイニングに類するものだったと発表した。ASICマイナーを開発するベンチャー企業Linzhi社の、1400MH/s(1秒間に14億回ハッシュ計算ができる処理能力)を持つという新型マイニングマシンのテスト運用が、ブロックの大規模な再編成に至った要因であるとしている。

 また、Ethereum Classicは本件に伴う二重支払いが発生していないことを主張した。ところが、米国の仮想通貨交換所Coinbaseによりブロックの再編成に伴う二重支払いの発生が報告された。そのため、Ethereum Classicは本件の真相究明とネットワークの安定化に向けた調査を現在も継続している。