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イーサリアム活用のFinTech企業Everex、ミャンマー・タイ間の国際送金事業に着手

出稼ぎ労働者向け銀行口座レスの国際送金サービスに2行が合意

Everexの国際送金サービスに2行が合意(写真左から、クルンタイ銀行・上級副社長のRawin Boonyanusasna氏、Everex・CEOのAlex Lane氏、シュエ銀行・副会長のU Thein Zaw氏)(プレスリリースより引用、以下同)

 Ethereumを活用して国際送金などに取り組むシンガポールのFinTech企業Everexは4月1日、同社が取り組むミャンマーとタイ間の国際送金事業に2つの銀行が合意したことを発表した。タイに居住する、ミャンマー出身の出稼ぎ労働者向けの高速かつ低手数料のサービスとなる。同サービスには、タイ国営のクルンタイ銀行(Krungthai Bank)と、ミャンマーの民間銀行シュエ銀行(Shwe Rural &Urban Development Bank)が協力する。

 「Everex社によるクルンタイ銀行・シュエ銀行間送金サービス」と名付けられる本サービスは、スマートフォン1つで国際送金を実現するという。銀行口座を持たない人でも利用することができ、Ethereumのブロックチェーン技術によって、低手数料・高速・自動化した国際送金を実現しているとのこと。タイに居住するミャンマー出身の出稼ぎ労働者が、母国への送金のために利用することが想定されている。

 Everex社とミャンマーのシュエ銀行は2018年8月より提携を結び、デジタル送金プラットフォームの構築に取り組んできたことをミャンマーニュースが報じている。タイには約300万人ものミャンマー人労働者が滞在し、その多くが母国への仕送りに非公式のマネー・エージェント・ネットワークを利用するという。これらの代理店は規制がなく、利用者には不当な金利などの危険が伴う。こうした背景の元、出稼ぎ労働者が負うリスクを軽減するべく、送金手数料の削減と送金時間の短縮を目的に同プロジェクトはスタートした。

 Everex社は「Enterprise Ethereum Alliance」に加盟し、Ethereumのブロックチェーン技術を活用して、FinTech事業の課題解決に取り組むシンガポールのスタートアップ企業。同社は2017年7月に、同国で新規仮想通貨発行による資金調達(ICO)を実施し、約20万ETHの調達に成功している。以後、海外の仮想通貨交換所などで仮想通貨Everex(EVX)を上場し事業の展開を続けている。