仮想通貨(暗号資産)ニュース

仮想通貨対応の当局認可済み金融機関SEBA、スイスで開行

法定通貨に加えてBTC・ETH・XLM・LTC・ETCを利用可能な世界初の民間銀行

スイス・ツークに本拠を構えるSEBA(発表資料より引用、以下同)

スイスのフィンテック企業SEBAは11月12日、銀行業を開始したことを発表した。同社は8月にスイスの金融規制当局FINMAから銀行業・証券業の認可を取得後、約1か月間の試験運用を行ってきたが、このほど開行に至った。スイスのブロックチェーン企業とその従業員を対象にサービスを提供し、それらの企業が同国の銀行口座を持てるようにするという。

提供開始時点で、SEBAは伝統的な銀行業に加えて、Bitcoin(BTC)、Ethereum(ETH)、Stellar Lumens(XLM)、Litecoin(LTC)、Ethereum Classic(ETC)の5種の仮想通貨に対応する。従来型の資産と仮想通貨の交換はもちろん、その両方に投資することができ、管理・取引・借入を一元的に行うことができる。

SEBAの銀行サービスは、同社が提供するSEBAウォレットアプリ、Eバンキング、SEBAカードを介して利用できる。SEBAカードは世界の4200万の小売店で決済に利用可能だという。SEBAのグイド・ビューラー(Guido Bühler)CEOは「SEBAカードは仮想通貨の普及に向けた重要なステップになる」とコメントしている。

発表時点で、SEBAはスイス国内の顧客に対し、口座開設に向けたオンボーディング手続きを開始している。国外の管区内の顧客に対しては、12月からオンボーディング手続きを開始するとのこと。

SEBAは、2018年4月に発足したフィンテック分野のスタートアップ企業であり、ブロックチェーン技術を用い、デジタル資産に主眼を置く金融サービスプロバイダーだ。2018年9月に、1億スイスフラン(107億円相当)の資金調達に成功し、同年10月に銀行業ライセンスをFINMAへ申請。約1年を経て今回の銀行業・証券業の認可に至る。その後、銀行業の開始までトータルして約1年半という短期間に収まった。

SEBAの金融部門は、テクノロジー、情報セキュリティ、ブロックチェーン、ファイナンスの各分野の専門家からなり、60人体制のチームで運営されているという。

チームSEBA