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ナイキ、人気スニーカーをイーサリアムでトークン化する特許取得

偽物の流通防止やゲーム連携のアイデアを含む

(Image: pio3 / Shutterstock.com)

米国のシューズ・スポーツ用品ブランドのナイキは12月10日、Ethereumのブロックチェーンで靴をトークン化する特許を取得した。米国特許商標庁(USPTO)のウェブサイトで明らかになった。

公開資料によると、販売される靴に対して発行される暗号化デジタル資産(トークン)により、物理的な靴の認証と取引に利用できる所有権を持つことが可能になる方法と、そのトークンの使い方をナイキは特許取得している。使い方には、トークンを活用したゲームアイデアなども含まれている。

ナイキは、人気のスニーカーなど一部の靴に対して、EthereumブロックチェーンのERC-721またはERC-1155トークンによるトークンIDを発行しひも付ける。靴の購入者は、所有者IDとトークンIDをリンクさせることで、靴の所有権を取得することができる。それにより、購入した靴がナイキ製品である真正性を証明することが可能になるという。

ナイキを始めとする昨今の人気スニーカーは、コレクションの対象にもなっており、世界中で非常に高額な価格で取引が行われている。取引される靴の中には、偽物も多く含まれているそうだ。米国の税関だけで1億米ドルもの偽造スニーカーが押収されているという(参考記事)。トークンにより所有権が取得でき、かつ製品の真正性が証明できるため、偽物の流通を防ぐことにもつながる。

また、靴をトークン化する目的として、消費者が所有権を取得することで店舗の在庫数の取得が可能になり、靴の生産数などを決定することも容易になるという。トークンの発行は、靴のデザインなどにもおよび、デザインを使用する許諾機能などにも利用される。これらのトークンは、総称として「CryptoKicks」と呼んでいる。

特許には、人気のブロックチェーンゲーム「CryptoKitties」のようなNFTゲームのアイデアも含まれる。ナイキの「CryptoKicks」は、靴のデザインなどをNFTとして取引が可能なため、他のブロックチェーンゲームに「CryptoKicks」をインポートすることで、デジタルシューズなど、ゲームのデジタルアセットとして扱うことができるという。「CryptoKicks」では、デジタルシューズを収集するゲームや、他人の靴のデザインをミックスさせることや、デザイン同士のペアリングで子孫を残せるなど、さまざまなトークン利用アイデアが含まれている。

なお、ナイキからは、現時点では取得した特許を活用した製品に関するアナウンスはない。

公開資料、米国特許商標庁サイトより引用