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新型コロナウイルス対策でブロックチェーンの実装進む
中国調査会社「類似サービス乱立も」との指摘も
2020年3月9日 06:00
中国のブロックチェーン調査会社互鍵脈搏研究院(IPRI)は、2020年2月は世界でブロックチェーンの実装プロジェクトが42件発表され、そのうち61.9%の26件が新型コロナウイルス対策関連だったとのレポートをまとめた。
2月の実装プロジェクトを地域別に見ると、中国が37件で大半を占め、日本が2件、ロシア、フランス、アラブ首長国連邦が各1件だった。
プロジェクトの責任機関では、民営企業が14件、政府部門が7件、大学が6件だった。
カテゴリー別では、医療が最も多く24%を占め、行政手続きが19%と2番目に多かった。3位以下は企業サービス、金融、公益サービスが続いた。
レポートによると医療、企業サービス、公益サービス、行政事務のブロックチェーンプロジェクトの8割は新型コロナウイルス対策と関連している。
例えば西安交通大学は、西安市の病院向けに無料オンライン健康相談システムを提供し、中国聯通(チャイナユニコム)研究院とチャイナユニコム江西支社などは、全国で初めて、ブロックチェーンを活用した操業再開申請プラットフォームを開発した。
公益サービスでは、ブロックチェーンを活用した物資の寄付管理や寄付金のトレーサビリティに関するサービスが複数登場した。北京大学のブロックチェーン研究センターは、医療物資寄付の受け取りを証明するプラットフォームを開設した。
IPRIは、「2月は新型コロナウイルス対策を目的としたブロックチェーン技術の応用が中国で多数登場したが、サービスの同質化も目立つ。社会にどの程度定着するかはまだ判断できない。また、多くの企業が似たようなサービスをリリースしており、業界がまだ試行錯誤のステージにあることを反映している」と指摘した。