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イーサリアム前日比40%の暴落。ステーブルコインにも波及

相場の急落に対応できずMakerDAOでは400万ドルの赤字が発生

(Image: Shutterstock.com)

WHOによる新型コロナウイルス感染症のパンデミック宣言により株価などが急落、仮想通貨Ethereum(ETH)の相場は13日午前に一時9000円台まで下落、前日比40%(CoinGecko調べ)を越える急落を示した。相場急変は、ETHを担保とする分散型金融(DeFi)プロジェクトにも影響を与えた。MakerDAOは現地時間3月12日、エコシステム全体に大きな負荷が生じたことを発表した。

通常、MakerDAOではETHの価格変動が生じた際キーパーと呼ばれるBOTがステーブルコインDAIの価値が1ドルと等しくなるように、裁定取引により担保の精算を行う。だが、今回は下落幅が想定よりも大きかったため、ETHの価格を監視するMakerのオラクルはリアルタイムに正しい価格を提示することができなかったという。

仮想通貨のデータを分析するMessariによると、ある時点では実際の価格とオラクルが示す価格に15%のかい離があったという。結果として、担保の入札が正常に行われないなどの事態が起き、一部のキーパーはETHの担保に対して負債の返済なしに離脱ができてしまった。システムは400万ドルの赤字を負うことになったという。

赤字のカバーとして、MakerDAOはプロジェクトの議決権となるMKRトークンを発行・販売することでカバーする。また、13日にコミュニティ投票を実施し、事態が再発しないようパラメータ調整を行う方針。現在DAIは1ドルの価値をキープし、安定を取り戻している。