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イーサリアムのボトルネック特定。SingulaNetらが研究論文を公開

エンタープライズ版での秒間1万トランザクション実現目指す

(Image: Shutterstock.com)

Ethereumベースの企業向けブロックチェーンサービス(BaaS)を提供するSingulaNet社は3月26日、SIMTech(シンガポール製造技術研究所)と共同研究したEthereumの処理の高速化に関する論文を発表した。両社の研究で、Ethereumでのトランザクションとブロック生成高速化のボトルネックを特定することができたという。

研究論文は「Function-level Bottleneck Analysis of Private Proof-of-Authority Ethereum Blockchain」と題され、24日付けでResearchGate上で一般公開されている。研究論文では、Ethrerumに独自のログ出力メソッドを追加して各処理の所要時間を計測し、トランザクション・ブロック生成において高速化のボトルネックになっているファンクションとその原因を特定したという。

現行の企業向けのEnterprise Ethereumでは合意形成アルゴリズムにProof of Authority(PoA)型のClique PoAを使用することで、秒間1000件程度のトランザクションを処理することができる。今回の研究では、Ethereumが具備しているCPUスレッドの並列処理が十分に機能しきれておらず、改善の余地があることが判明したという。今後同社はこの課題を改善することで、秒間1万件以上の処理が可能な次世代Ethereum基盤の早期実現を目指すとのこと。