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香港で仮想銀行第一号「衆安銀行」が正式営業開始

普通預金金利1%、顔認証機能も

(Image: Shutterstock.com)

香港第一号の仮想銀行(インターネット専業銀行)「衆安銀行」(ZA Bank)が3月24日、正式営業を開始し、普通預金商品「ZA活期Go」を発売した。証券時報などが伝えた。

香港当局は2019年、日本のネット専業銀行に相当する「仮想銀行」の免許交付を開始。中国ネット保険の衆安在線財産保険などが設立した衆安銀行が同年3月に最初に免許を交付され、12月に試験営業を開始した。

衆安銀行の普通預金の最大のウリは、50万香港ドルまで金利1%と破格の高利息を適用したことだ。そのほか、スマホのアプリで全サービスを提供。口座を開きたいユーザーは、電話番号と身分証明書があれば最短5分で手続きが完了する。また、24時間定期預金口座を開くことができ、5秒以内の送金取り消しや顔認証機能も導入された。

香港は2000年に仮想銀行開始に向けたガイドラインを取りまとめていたが、その後なかなか進展せず、香港金融管理局が2017年に銀行のIT化を推進する政策を発表したことで、仮想銀行プロジェクトも動き出した。

衆安銀行以外にアリババグループのアント・フィナンシャル、テンセント(騰訊)、京東集団(JD.com)など中国IT大手を中心に7社が免許を交付され、いずれも既に準備期間に入っている。今年前半には8社とも開業する見通し。

アジアの金融センターと位置付けられる香港は150以上の銀行が営業しているが、ネット専業銀行はこれまでなかった。中国本土のIT大手の参入で、一層の競争激化は必至だ。