マンガでわかるブロックチェーン

第12回

ブロックチェーンって結局どうなん!〜未来編(最終回)

[企画・原作:森 一弥]
[作画:佐倉 イサミ]

主人公・仲元サラが派遣会社を通じてやってきたのはブロックチェーンを主な事業とする会社。ITにも疎く、ブロックチェーンの「ぶ」の字も分からないサラは、果たしてこの会社で生き残れるのか!?話題のブロックチェーン技術を漫画で解説します。

なお、本記事はアステリア株式会社のオウンドメディア「in.LIVE」にて掲載されたものを再編集したものです。

今回の補習授業|ポイントと用語解説

漫画の原作者である、アステリア株式会社 ブロックチェーン推進室長の森が、今回のお話の概要や会話に登場したキーワードについて簡単に解説します!

  • 量子コンピューター
    量子を使って並行処理を行うことにより既存の電子を使ったコンピューターと比べ処理速度を大幅に向上させることができる技術のこと。複数の方法が研究・開発されているが、暗号化技術の多くが数学的に難しい(時間のかかる)計算を用いているので、処理速度が大幅に向上すると簡単に解読されてしまう危険がある。
  • 量子耐性
    量子コンピュータの処理速度でも耐えられる暗号化方式のこと。複数の方法が研究・開発されているが、既存の暗号化方式と比べ、解読により計算時間がかかるものが考えられており、いくつかのブロックチェーンには実装されている。
  • 「自立・分散・協調」
    ブロックチェーンがもたらす社会変化として、これまでの中央集権化された社会から、管理者、支配者のいない構造へ変化することが挙げられる。ある仕事をこなすために会社や部門などを越えて、必要なスキルを持った人やシステムが集まり、終われば解散するような一時的な小さい組織が多数できていくことも予想されている。

企画・原作:森 一弥

原作者/アステリア株式会社
ブロックチェーン事業推進室 室長
森一弥からの最終回に寄せたコメント

最終回?というか第一部完?ということで、読んでいただいた皆さんありがとうございます。多少なりとも皆さんのブロックチェーンに対する理解が進んだり、誤解が解けたりしていればいいなと思っております。

そもそもこの企画、約一年前の2018年5月に立ち上がりました。もとからブロックチェーンに限らずややこしい技術の話などはマンガなら読むのに!とは思っていたものの、自分で絵がかけるわけでもなく、漫画家さんにツテがあるわけでもなかったのですが、ひょんなことから漫画家さんと縁があり一気に具体化したのでした。やり始めると書きたいことはいろいろとあったのでネタに困るようなことは特になく、むしろマンガに収まらない内容を編集でだいぶ削られることもしばしばありました。特に新キャラの登場に関しては難航したり、壮大な伏線を貼ろうとして却下されたりと、いろいろあった1年間でした。

読んでいただける方を当初「ブロックチェーンに興味はあるものの技術者ではない人」と想定していました。私はコンサルティング業務として技術の方だけでなく、経営に携わるような部門の方ともお話することもありますが、とある企業の方にブロックチェーンの仕組みを説明したときに「今日教えてもらった内容はすごくわかりやすかったし理解できた!今晩さっそくキャバクラのオネェちゃんに自慢する!」と言われたことがあります。ちゃんと説明すれば技術の人ではなくとも理解できるし、「理解できた!」というのがちょっと嬉しくなるもののようです。

こんな体験を多くの人にしてもらいたいなと。というよりも、ほとんどの人は「難しそう」っていうイメージだけで最初の一歩が億劫なだけでは?そんなのを払拭できるのはマンガなんじゃないかなと思っています。

マンガの最後のコマにも最終回じゃない?ような記載がありましたように、第2シーズン?もしくはスピンオフ?など構想中です。また読者の皆さんと、マンガを通じてお会いできるのを楽しみにしています。

作画:佐倉 イサミ

佐倉イサミからの最終回に寄せたコメント

お話を頂いた時、ブロックチェーンの「ブ」の字も知らない私が果たして描けるのかと不安でしたが、個性豊かなキャラクターとストーリー原案を生み出して下さった森さん並びにアステリア(株)社員みなさまのお陰があって サラちゃんと同じ目線で「ブ」の字からコツコツと一年間たのしく学び、マンガで表現する事が出来ました。

作業中に聞いているラジオで「ブロックチェーン」と聞けばなになに、と耳を傾け「IoT技術で冷蔵庫に明太子が無くなったら自動で注文を…」とニュースで見かけた時は「知ってるー!」と少し誇らしげになったり、実生活でもグンと世界が広がった気がします。

私のように、マンガを通してブロックチェーンを身近に感じるようになった方、そもそも初めて知った!という方が増えていたら嬉しいです。森さんもきっとしたり顔だと思います。