少子高齢化社会を迎える時代の投資ルール

第2回

私が大切にしている投資の考え方

私が大切にしている投資戦略

 前回は今投資を学ぶ理由をお伝えしましたが、今回は具体的に投資の考え方についてお話ししようと思います。

必ず勝てる投資はない

市場から退場しないことが一番大切

 私は株と仮想通貨の投資をしていますが、「1億円稼いだと思ったらその後破産して撤退」という方をたくさん見てきました。

 その方たちに共通しているのは「大きく稼ぎたい」という人間の欲に負けた人たちです。

 この世に「絶対」というものは存在しません。

 私は「必ず儲かる」「みんな成功している」という触れ込みをする人やプロジェクトは信用しません。

 その商品を売った人がお金持ちになったのは見ますが、その商品を買った人がお金持ちになったのを見たことがないからです。

 一発大きく当てなくても、退場せずコツコツ勝ちを積み重ね、複利的に増やすことを意識した方が長い目で見ればいずれ大きな財産となります。

 一時の感情に流されず、身の丈に合った投資を心がけてください。

1つのかごに卵を盛ってはいけない

 分散投資は投資の基本です。

 投資の世界では有名な格言ですが、1つのかごに卵を盛らないようにしましょう。

 先ほども言いましたが、この世界に「絶対」というものは存在しません。

一次情報以外信用しない

 投資の世界に住んでいると、最初は人間不信になるかもしれません(笑)。

 そのくらい嘘の情報が当たり前のように流れ、「予定は未定」とばかりに予定が大幅に遅れることも珍しくありません。

 信頼できると思っているメディアでさえ間違えた情報が流れることもあります。

 ニュースに関しても「都合のいい部分だけ切り抜く」と言うことを見たことがない方は少なくないでしょう。

 この世界は魑魅魍魎です。

 必ず情報の出所はどこか? 都合のいいように解釈していないか? 確認しましょう。

大勝ちよりも負けにくい方法を選択する

 投資をしたいと思う方のほとんどが、「儲けたい」という動機の方がほとんどだと思いますが、私は「いかに負けないか?」を基準に投資をしています。

 これを言うと残念に思う方もいると思いますが、私が仮想通貨(暗号資産)で大きく稼げたのは「たまたま」です。

 その証拠に私がはじめて仮想通貨のセミナーを始めた2016年当初は、Bitcoinの4年に一度の「半減期(次回説明します)に倍になる可能性があるので投資しませんか?」と言っていました。

 その後あれよあれよという間に仮想通貨バブルが来たので、資産が大きく膨れました。

 ですがこれも退場せずに投資を続け「負けにくい選択」をした結果です。

 ではバブルが過ぎ去った今、負けにくい方法として「5000円ではじめる仮想通貨投資入門」(インプレスブックス刊)にも書かせていただいた、毎月同額を投資していくドルコスト平均法をご紹介したいと思います。

 今回はわかりやすいように、仮想通貨バブルがはじける直前から投資していた場合に、どのような結果になっているのか? というのを見てみましょう。

 見ていただいてわかるように、投資を始めて間もなくバブルが崩壊しています。

 投資期間の中でBitcoinの最高額は1万7802.90ドルで、最低額は3401.38ドルですので、最高額から最低額へ80%以上下落していますし、4月8日時点でも70%以上下落しているにもかかわらず、最後の投資日2019年4月8日時点では約87%の回収率となり、13%の損失しかしていません。

 損益分岐点は5965ドルですので、あと15%以上上昇すればプラスに転じることになります。

 投資はいかにリターンを大きく狙うのではなく、リスクを減らすのかが大切なのかがわかるのではないでしょうか。
※ドルで集計していますが、日本円で投資していても大きな差はありません。尚、データには取引手数料、出金手数料は含んでおりませんのでご了承ください。

いろいろな投資の種類

 「1つのかごに卵を盛るな」ということからも、仮想通貨投資以外にもいろいろな投資があります。

 今のまま何もせずに銀行にお金を預けているだけでは、この時代ではまず増えることはありません。

 とはいえ預金を持たずにすべて投資に回してしまうと、急に資金が必要になったときに売りたくない仮想通貨(暗号資産)や株を売らないといけなくなったりしますので、あくまで投資に回す資金は数年寝かしておける資金で始めるようにしてください。

 それでは見ていきましょう。

■クレジットカード、○○Pay
■株
■投資信託
■生命保険
■確定拠出年金(401K)
■外貨預金
■金
■不動産
■仮想通貨(暗号資産)など

 ざっと挙げただけでもたくさんありますが、簡単に特徴などを見ていきたいと思います。

クレジットカード、○○Pay

 投資とは言えませんが、クレジットカードや最近広がっている○○Payを利用することで、ポイント分を得することが出来ます。

 現在日本はキャッシュレス社会を目指してポイント還元率が高くなっていて、1%のポイントが還元されるということは、支払金額を投資の原資だと考えればある意味1%の運用が出来たことと近い意味が出てきます。

 最近ではPayPayやLINEPAYなど普及目的で、20%ほど得出来るキャンペーンをしていたりするので活用するのも1つでしょう。

 株と言えば投資の王道ですが、株投資でも買った株を売ったときの「譲渡益」狙いと、企業の実績によりもらえる「配当金」狙いがあります。

 東証1部上場企業の2019年3月時点の平均利回りは1.8%ですから、銀行に預けているよりはいいと言えます。

 最近では税制が優遇されるNISAが人気ですが、積み立てNISAは1000円から始められますので検討されてはいかがでしょうか。

投資信託

 投資信託とは多くの投資家から集めたお金を専門家が運用してくれる商品のことで、証券会社によれば100円からでも始められるので、自分で運用していくことが苦手な方にはいいかもしれません。

生命保険

 生命保険には「定期保険」と「養老保険」「終身保険」があり、「定期保険」は保障が掛け金に対して大きい代わりに掛け捨てとなりますので投資とは言えませんが、「養老保険」は満期時に「満期金」が受け取れるので、預金よりもいい利率で返ってきます。

 「終身保険」は死ぬまで保障が受けられますが、解約したら「解約返戻金」が戻ってきます。

 ただし、保険によって違いますが契約年数によっては「元本割れ」のリスクがありますので、契約時にきちんと確認しておきましょう。

 特に外資の保険に関してはドル円の為替リスクがありますので、説明を日本円で高配当のように言われて契約したのに為替の状況により受取金額がかなり少なくなるケースがあるので注意が必要です。

確定拠出年金(401K)

 年金には個人年金、厚生年金、厚生年金がありますが、確定拠出年金が新たに増えました。

 先に挙げた年金と違い、個人として積み立て運用していく年金なので自分次第で大きな運用益が見込めます。

 世界最大級の取引所インターコンチネンタル取引所(ICE)が出資しているBakktが仮想通貨を401Kに導入しようとしていることでも有名です。

外貨預金

 ドルやユーロなど外貨で貯金することで、銀行によっては1000円から始められます。

 ただし、ペイオフが適用されないので注意が必要です。

 金は他の投資に比べ信用が高いので財産として保有するにはいい商品です。

 現物を所有する方法と、月々10000円から始められる積み立てがあります。

 分散投資の1つにはいい商品と言えます。

不動産

 多額の資金が必要になりますし、前回お話ししたように今後の日本においてはあまりおすすめしません。

仮想通貨(暗号資産)

 仮想通貨(暗号通貨)は2017年にバブルが起こり、2018年は下落の一途をたどりました。先日もソフトバンクの孫社長が145億円の損失を出したとウォール・ストリート・ジャーナルが報じていましたが、現在も保有しているかどうかは不明ではあるものの、仮想通貨(暗号資産)分野には大手金融機関が参入していることからも投資対象として見られていることは間違いないでしょう。

 次回はバブル崩壊後の仮想通貨(暗号資産)投資戦略についてお話しします。

上野 義治

昭和44年8月28日生まれ 大阪市在住。YouTubeやメルマガでの情報配信、日本4大都市でセミナーを開く仮想通貨投資家。現在YouTubeチャンネル登録者数1万人、メルマガ読者1万1000人ほど。「はじめてでもわかる!稼げる!仮想通貨入門」(Kindle版)、「5000円ではじめる仮想通貨投資入門」(インプレス)など著者としても活躍。ビットコインをはじめ、仮想通貨は正しい知識を持てれば、安全なものであることを知ってもらう活動をしている。