少子高齢化社会を迎える時代の投資ルール

第3回

バブル崩壊後の仮想通貨への投資

バブル崩壊後の仮想通貨(暗号資産)投資戦略

 2017年空前の仮想通貨(暗号資産)バブルが起こり、仮想通貨(暗号資産)投資で億の資産を築いた人を「億り人」(おくりびと)と呼ぶようなブームが起こり、2018年は一気に価格が暴落しましたが、私自身はまだまだ投資対象として他の投資よりも魅力を感じています。

 バブルが崩壊し、「仮想通貨(暗号資産)は終わった」と言う人たちがいますが、なぜ私が今も投資対象として魅力を感じているのかをお話ししていきます。

世界にはBitcoinが必要

 私がBitcoinを購入した頃は「怪しいもの」と言われていたBitcoinですが、2017年4月に日本で仮想通貨法案が施行され、時価総額でBitcoinに続く通貨であるEthereumをベースとする「ICO」がきっかけでバブルが起こりました。

 2017年の仮想通貨バブルは崩壊したものの、このバブルによって世界にBitcoinが認知されたことはバブルの功績と言えるでしょう。

 このバブルがあったおかげで、大手金融機関が仮想通貨(暗号資産)を利用するサービスに多数参入を表明しましたし、世の中に受け入れられる可能性が広がったことは確かです。

 まだまだ一般への普及には課題もありますが、海外送金の手数料が見直されるきっかけになったのも、Bitcoinが存在した影響ですし、仮想通貨(暗号資産)はある意味フィアット通貨(円やドルなど法定通貨のこと)や既存のシステムに対する監視役として今後も普及していく可能性は高いと思っています。

Bitcoinの次の高騰は2020年5月後半?

 まだ良くBitcoinを知らない方のために、少しBitcoinについてお話しします。

 Bitcoinは現在約1766万BTCが発行されており、総発行数2100万BTCに向けてこれから約120年かけて市場に発行されていきます。

 Bitcoinの取引を支えているブロックチェーンはPoW(プルーフオブワーク)と呼ばれる仕組みで、マイナーと呼ばれる取引を証明してくれる人たちによって成り立っています。

 このマイナーと呼ばれる人たちは高額の電気代を払ってまでBitcoinの取引に関わってくれているのですが、イメージ的には10分に1度ブロックが生成されそのブロックの承認をしたマイナーが新規発行される12.5BTCとそのブロック内の送金手数料を受け取れます。

 この新規発行される12.5BTCは約4年に一度訪れる半減期毎に半分になり、次の半減期は現在の計算で行くと2020年5月24日前後に来る予定です。

 過去2回の半減期でも価格が上がっていることから、再度盛り上がる可能性は高いと言えます。

 来年に向けタイミングを見ながら仕込んでいくと面白そうです。

今年6月G20で仮想通貨(暗号資産)の規制が決定?

 過去のG20でも仮想通貨(暗号資産)に関して話し合われ、昨年2018年10月のG20で世界共通の規制が決定する予定がずれ、今年6月に行われるG20で規制内容が決定すると言われています。

 規制というのはネガティブに捉えられがちですが、ある意味「ルールを守れば利用していい」と言えるので、私はポジティブに捉えています。

鍵はBakkt(バックト)?

 2018年12月オープン予定だったBakkt(世界最大の取引所インターコンチネンタル取引所が出資している取引所)ですが、未だオープンの目処がたっていません。

 Bakktは前回の記事でもお話ししましたが、確定拠出年金(401K)でのBitcoinの利用を目標にしていることもあり、採用されれば利用者の拡大が見込めますし、さらなるBitcoinの信頼につながります。

銘柄選定をどう考えるか?

 2017年の仮想通貨(暗号資産)バブルではどの銘柄を持っていても価格が上がりましたが、これからの銘柄選定には注意が必要です。

 仮想通貨(暗号資産)の実利用が本格的になっていない今、JPモルガンや三菱UFJ、IBMなど独自のブロックチェーンが開発されていて、そちらの利用が出来るようになればかなりの利用者を奪われる可能性があります。

 Bitcoinはマイナーが分散されていて、多額の電気代を払ってまでマイニングをしてくれる多数の企業がいることからもこれからも信頼度はピカイチだと予想できますが、他の通貨に関しては利用されるところに価値が生まれるものがほとんどなので注意が必要です。

 Ethereumも他の通貨に比べ関わる技術者も多く、大企業が多数参加するEEA(Enterprise Ethereum Alliance)があることからも注目度の高さが違うので生き残ると予想しています。

 他にも生き残りそうな銘柄はあるものの、購入するにしても分散している中での少額にとどめておく方が無難でしょう。

 日本では特に規制の関係で日本の取引所に上場できない銘柄もあり、今後どういう扱いになるかは不透明なので、そのあたりも踏まえ分散する必要があります。

 日本の仮想通貨交換所に上場していない銘柄を保有する場合は、念のためいつでも売却できる体制はとっておきたいですね。

 私の分散の基本としては、時価総額の高いものほど多く保有するようにしています。

 これはファンドが良く行っている投資方法で、時価総額が高い=信用があるということなので、時価総額が低いものほど上がるときの上昇率が高い反面それだけリスクも高くなるからです。

 皆さんの投資の指針の1つとして参考になれば幸いです。

 マイルールを作り、仮想通貨投資を楽しんでください。

短期投資(おまけ)

 私は長期保有分とは別に少額ですがたまに短期投資をしています。

 短期投資を行う上で必ず守っているマイルールは

■現物取引しか行わない
■明確にサインがないときはトレードしないこと
■取引高が高く最悪長期保有になってもいい銘柄だけにすること
■欲張らないこと

 これだけですが各ルールを簡単に説明すると、

現物取引しか行わない

 仮想通貨(暗号資産)取引には現物取引と信用取引があり、信用取引は実際保有している資産の数倍の取引が出来るレバレッジをかけた取引ができますが、その分リスクも高くなるので、現物取引以外はしないようにしています。

明確にサインがないときはトレードしないこと

 基本的に4時間足でトレンドラインを引き、明確にサポートが見えるとき以外取引は行いません。

取引高が高く最悪長期保有になってもいい銘柄だけにすること

 取引をしている人はわかると思うのですが、取引高がないと売りたいときに売りにくいので、取引高が高い銘柄でかつ購入後暴落したとしても長期保有してもいい銘柄以外は取引しないようにしています。

 ですので、自然とBitcoinとEthereumがメインになります。

欲張らないこと

 神様でも無い限り底と天井はわからないので、「買っておけば良かった」「売っておけば良かった」と思うこともあると思いますが、売却後上昇しても後追いで購入しないようにしています。

 また、もっと儲けたいからと一度に大金を投入せずに、トレード資金の20分の1までしか一度に投入しないようにしています。

 トレード時に大切にしているのは感情を排して機械的に行うことを大切にしています。

 以上簡単ですが、私なりのマイルールをご紹介しました。

 最後に……

 あくまで私の見解であり、必ず上がる保障はありません。

 皆さんもマイルールを作り、投資は余裕資金で行うようにしてくださいね。

上野 義治

昭和44年8月28日生まれ 大阪市在住。YouTubeやメルマガでの情報配信、日本4大都市でセミナーを開く仮想通貨投資家。現在YouTubeチャンネル登録者数1万人、メルマガ読者1万1000人ほど。「はじめてでもわかる!稼げる!仮想通貨入門」(Kindle版)、「5000円ではじめる仮想通貨投資入門」(インプレス)など著者としても活躍。ビットコインをはじめ、仮想通貨は正しい知識を持てれば、安全なものであることを知ってもらう活動をしている。