イベントレポート
シリンラボ社がコールドウォレット搭載スマホ「FINNEY」を日本展開、起動するとオンラインになるウォームウォレット型
高レベルセキュリティを実装したAndroidベースの独自OSブロックチェーンスマートフォン
2019年1月30日 07:00
スイス本社でスマートフォン開発を手がけるSIRIN LABS(以下、シリンラボ社)は1月29日、同社が発売するブロックチェーンスマートフォン「FINNEY」(フィニー)の日本正式展開を発表した。また1月30日、31日開催の「ジャパンブロックチェーンカンファレンス2019」会場にて直接販売を開始することを明らかにした。本体価格は、999米ドル(現在、WEBにて899米ドルにてセール中)。今後は、東京に実店舗を構え販売するほか、Amazonでも扱うことを予定している。
シリンラボ社が独自に開発をする「FINNEY」は、マルウェアやハッキングによって暗号通貨が不正に送金されることを防ぐ高レベルセキュリティを実装したコールドストレージウォレット(ハードウェアウォレット)を内蔵するスマートフォン。コールドストレージウォレット部分は、スマホ本体から「セーフスクリーン」として飛び出すようにスライドするスタンドアロンスクリーン。OSには、Androidベース(Google公認)のシリンラボ社が独自開発した「SIRIN OS」を採用する。
「FINNEY」のコールドストレージウォレットは通常はオフラインであり、ハードウェアウォレットの高セキュリティ環境で仮想通貨を保護するが、「セーフスクリーン」をスライドさせることでオンラインとなり、ホットウォレットのような使いやすさを実現する、いわゆるウォームウォレットと呼ばれる、コールドウォレットの堅牢性とホットウォレットの利便性の両方の特性を持つのが特徴。デフォルトでは、Bitcoin、Ethereum、およびSIRIN LABS SRNトークンのアカウントを持つウォレットを作成する(現在、対応済みの仮想通貨)。
コールドストレージウォレットのほかにも、「マルチレイヤーの総合サイバーセキュリティスイート」「トークンコンバージョンサービス(TCS)」「マルチブロックチェーンDAppストア」といった特別な機能を備える。
「FINNEY」高レベルセキュリティスイート「マルチレイヤーの総合サイバーセキュリティスイート」は、会話やデータを強力に保護。また指紋認証によるスクリーンロックの管理、パスワード、パターン、PINなどでバックアップする。「Cyber Protection」によってフラグが立てられたアプリおよびWi-Fiアクセスポイントをホワイトリストで管理し、安全かつ承認済みのアプリやアクセスポイントを使用することができる。
「トークンコンバージョンサービス(TCS)」では、サポートされているコインとトークンの交換をシームレスに変換できる環境を提供する計画とのこと。それにより、外部の仮想通貨交換所にアクセスする必要がなくなるという。ちなみにTCSの機能については、現在、同社が独自に運営するとのこと。交換できるコインやトークンについては、各国の法律に基づきながら対応をしていくという。
またDAppsをシームレスにダウンロードできる「マルチブロックチェーンDAppストア」は、DAppsのポータルになるという。その目的は、安全で確実かつシームレスな方法で、DAppsの追加、開発、採用をサポートしていくものとしている。またストアに含まれる「EDUCATION CENTER」では、ブロックチェーン、暗号通貨、将来のICOなどに関する教育用ビデオがあり、ビデオで学び簡単な小テスト(クイズ)に合格するとトークンまたはERC721などの他の暗号化資産などによる報酬を請求、受け取りができるという。
スイスが本社のシリンラボ社は、研究開発拠点をイスラエルに持つ企業。ブロックチェーンスマートフォンである「FINNEY」はICOにて資金調達を行い、2017年世界第4位の規模のクラウドセールを実現し、1億5780万米ドル(日本円で172億6500万円相当)の調達に成功している。