イベントレポート

注目のブロックチェーン技術、ビジネスにおけるノンファンジブルトークン活用事例

BlockBase主催の事業開発担当者向けビジネスセミナー第1回開催レポート

 ブロックチェーン技術の導入コンサルティングやゲームのキャラクターやアイテムなどノンファンジブルトークン(NFT)の売買ができるマーケットプレイス「bazaaar」の開発・運用を行うBlockBase株式会社が、事業開発担当者向けにビジネスへのブロックチェーン適用の応用事例やヒントを提供するセミナーイベント「BlockBase Blockchain Meetup」を主催する。その第1回イベントが4月25日、東京・本郷のブロックチェーン特化型のコワーキングスペース「HashHub」にて開催された。

 第1回は、最近ゲームなどによく使われ始めて注目を浴びているNFT(Non-Fungible Token:非代替トークン)の活用をテーマにビジネス事例を紹介する。登壇者はBlockBase・代表取締役の真木大樹氏に、ゲストとして株式会社メタップス・ブロックチェーン事業責任者の青木宏文氏を迎える。

 セミナー前半は、BlockBaseの真木(さなぎ)氏が「NFTってそもそも何なのか?」を解説し、かつNFTの活用ポイントおよびBlockBaseが2019年1月に発表したマーケットプレイス「bazaaar」の取り組みや狙いなどを紹介する。後半は、BlockBaseの真木氏とすでにNFTを活用したゲームの提供やマーケットプレイスの開発事例を持つメタップスの青木氏が、NFTの今後の活用の道筋、展望についてパネルディスカッションを行う。

NFTってそもそも何なのか?

BlockBase株式会社・代表取締役の真木大樹氏

 BlockBaseは、ブロックチェーンベースのコンサルティングおよび開発を事業の中心とする会社だという。他企業との連携でブロックチェーンのユースケースを模索することをミッションに掲げ活動中であると真木氏は自社を紹介する。最近は自社プロダクトや顧客との間で、NFTを活用することでどのようなビジネスが展開できるのかを思考することが多くなってきたそうだ。NFTそのものの技術でどのような検証が行えるようになるのかが、今、ホットな話題だという。

 最初に真木氏がセミナー会場に向けた質問の投げで、今回の来場者の大半がビジネスにブロックチェーンを活用していきたいと考えていることがわかった。かつ半数の人はエンジニアであるという結論から、このテーマがいかにタイムリーであるかが理解できた。

 真木氏は有名な絵画を使い、NFTについて解説をする。実はこれはフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を他の絵を使って表現をしたもので、絵を拡大すると小さな絵の集合体で1枚の絵かできていることがわかると、絵の種明かしをした。

 1枚の絵に見えているものを拡大すると、1枚1枚独自性のある絵が並んでいることが分かるが、NFTはこれに近いと真木氏はたとえた。1つの塊をブロックチェーンと捉えてしまうと、それは1つのブロックチェーンでしかないが、ブロックチェーンを形成するデジタルアセットを1つずつ見ていくと、それぞれにIDが割り振られた1つ1つ独自性のあるまったく違ったデジタルアセットというものが存在するという。実はそれがNFTであると、真木氏はいう。

 それをEthereumではERC-721という規格名で呼んでいるが、ERC-721は発行されるトークン1つ1つに固有の性質や希少性を持つことが可能で、複製ができないという特徴を持つスマートコントラクト規格だという。この特徴を利用して各絵画をトークンとして管理することで、ステータスが異なる絵画を、デジタルアセットとして所持することができるようになるという。それがノンファンジブルトークン(NFT)、代替性のないトークンとのこと。またNFTは、デジタルアセットとして取引、価値の移転ができるのも大きな特徴だ。

 仮想通貨もまたブロックチェーンのデジタルアセットだが、たとえば国産の仮想通貨であるMonacoinの1Monacoin、2Monacoin、3Monacoin、これはどのMonacoinも同じものであり、誰のMonacoinにも違いはなく、もちろん価値も同じである(Monacoinに限った話ではない)。つまりトークンごとの違いはないが、NFTはそれぞれに違いがあるため、自分の持っているトークンと他の人が持っているトークンは、まったく別の特徴や性質、価値が違うものを表現することができるものであるという。

代表的なNFTの実装例はゲーム

 現在、NFTはゲーム領域で使われていることが多く、また有名なものの多くがゲームであるという。ブロックチェーンをゲーム領域で使おうとした場合、1つはゲーム内通貨に仮想通貨を利用するケースが考えられるが、もう1つはゲーム内キャラクターやアイテムにブロックチェーンのNFTを使うケースが多く見られると、真木氏はいう。

 NFTを使用した最も有名なゲームに「CryptoKitties」があるが、これはゲームに登場する猫の絵1つ1つにIDが発行されており、それぞれに違ったパラメーターの数値が割り振られていて、パラメーターによって表示される猫の絵も異なるという仕様になっている。各デジタルアセットが独自の価値を持つゲームとして、NFTを実装しているという。「CryptoKitties」は2017年末にEthereumのNFTを初めて実装例に使ったゲームとして登場し、話題になり、猫の取引量が増え、一時期はEthereumのネットワーク全体が混雑してしまうほどになったという世界的に有名なゲームとのこと。

 この「CryptoKitties」のおかげでNFTの存在が知られるようにもなったと真木氏はいう。そこから国内でもNFTに関する動きが出始めたとのこと。そして現在、話題になっているゲームが「My Crypto Heroes」。「My Crypto Heroes」は、ゲームのキャラクターやキャラクターの装備品やアイテム、ゲームのフィールドとなる土地(ランド)もまたNFTとして実装されているという。また豚を育ててレースなどができる「くりぷ豚」も、豚のキャラクターがNFTで実装されており、豚を掛け合わせることで新しい豚を誕生させたりすることができる育成ゲームとして注目されているそうだ。ちなみに豚の掛け合わせは、3京6000兆通りのパターンがあり、それぞれ見た目は似ているものもあるが、まったく異なるデジタルアセットとして存在しているという。どちらのゲームも、デジタルアセットとしてキャラクター等がEthereumでの取引が可能なゲームであるとのこと。

 また本日、後半に登壇する青木氏のメタップスの子会社からも「DIG STAR」という惑星を開拓していくNFTを実装したゲームが出ていることも真木氏は紹介した。こちらは宇宙人のようなキャラクターがNFTであるとのこと。

 これらゲームのNFTについて考えると、技術的にはシンプルで、このキャラクター1つ1つにトークンを発行しNFTとして管理をしていくことになるので意外と原始的だが、それぞれに価値を付けていくこと、価値をどう担保するのかなど、ガバナンス的な話はかなり複雑だとのこと。しっかりと1つ1つに価値があるのかなど、これは法的な部分も含めて確認していくことが難しいだという。それについては後ほど説明するが、NFTはそこが重要ポイントだと真木氏はいう。

NFTはゲーム以外にも使えるのか?

 さて、NFTはゲーム以外にも使えるのか? そんな疑問も湧いてくると思うが、実際に実装事例も少しだが登場しているという。

 たとえばEthereumを使ったレンディングサービスがあるという。レンディングサービスとは、融資に関する申し込みから審査までの流れをオンラインで提供するサービスだが、その与信情報をNFTとして保管することができるものが登場しているという。与信という自分自身のアイデンティティに近い情報自体をアセットとしてNFTで管理していくプラットフォームだそうだ。

 また最近、これもちょっと話題になっている「CryptoKaiju」(クリプト怪獣)。「CryptoKaiju」はビニール製の怪獣フィギュアで、怪獣1つ1つにNFCチップが埋め込まれているという。NFC内には各怪獣の名前や特徴が情報として記録させており、同じものは2つとない固有のもので、これもERC-721のNFTで管理されているとのこと(NFC内にどんな情報が組み込まれているかは不明、IDのみの可能性もある)。こうすることで、同じような怪獣も、NFTにより特徴的な価値を付けることが可能になり、中にはレアものも存在するなど、今までにはないフィギュアの世界観を表現することもできるようになるという。

 ここで真木氏は、「Steam」というゲームプラットフォームを紹介する。あまりブロックチェーンとは関係ないがと前置きをするが、このプラットフォームのデジタルアセットの取引所で、デジタルアセットに状態「未使用」というパラメーターがあり、ただのデジタルアセットなのに、誰かが使ったとか、まだ誰も使っていないという表現があるのが面白い例だと語る。デジタルなのに中古品という概念を導入していることに驚いたというのだ。

 NFTはこれまで価値が付けにくかったものに対して価値を付けることができるものだという。またNFTによって、その取引を履歴として残すこと可能になることで、そのキャラクターを誰が育てたかとか、誰が使っていたアイテムだったかといったことも証明できることになり、アセットそのものの価値だけでなく、もしかすると有名な人が持っていたということで、履歴自体が価値になるものも出てくるのではないかと見ているそうだ。こういう概念そのものがブロックチェーンのアセットと相性がいいのだろうと真木氏はNFTの解説を締めくくった。

NFTの良い点

 これまではブロックチェーン=仮想通貨という先入観が強かったこともあり、どうしてもブロックチェーンでシステムを構築するという話になると、トークンを発行するなど仮想通貨的な考え方になってしまったり、またアイデアも仮想通貨の法的な制約に縛れるなど、本来、事業としてやるべきことを考える必要があるのに、それ以外のところに力を注ぎ議論しなければならないという問題点があったように思うと、真木氏はいう。その点、NFTは仮想通貨ではないという切り口からビジネスを考えることができるのが良いと語っている。

 NFTは、仮想通貨ではなくモノとして認識することができ、仮想通貨という概念や法的制約に縛られることなく、ビジネスの中で証明したかった価値であるとか、事業として検証したかったことに注力できることが最大の魅力であるという。

 そういう意味においても仮想通貨交換所のシステムを開発し、運営していくことはものすごく大変なことだが、NFTであればモノとして扱えるので、モノであれば交換することもできるのではないだろうかということから、NFTをスマートコントラクト経由で取引する実績をまずは作ってみようという発想で作ったのが、BlockBaseが開発・運営をするNFTのマーケットプレイス「bazaaar」だという。

マーケットプレイス「bazaaar」とは

 「bazaaar」では、「CryptoKitties」「My Crypto Heroes」「くりぷ豚」のデジタルアセットを扱っており、スマートコントラクトで取引を自動的に行うなど、現在、ビジネスモデルの1つとして模索中であるとのこと。ちなみに「bazaaar」が扱うデジタルアセットは、仮想通貨に該当しないと解釈されるデジタルアセットのみを扱うとしている。

 これらは、まだビジネスとしては儲かっていないが、NFTによるデジタルアセット1つ1つの価値はサービスを始めた当初よりも少しずつ高くなっているという実感があるという。また、ユーザーも少しずつ増え始め、取引額も上がってきていると真木氏はいう。ちにみに現在の「bazaaar」は、取引所として取引のサポートを行い手数料をもらうというビジネスモデルだが、こういったプラットフォームがあることで、自身でNFTによるデジタルアセットを発行したり、また何か権利と証明にNFTを使うなどといったビジネスモデルも考えやすくなってきたのではないかと実感していると真木氏はまとめ、前半の講義を終えた。

後半はパネルディスカッション

 セミナーの後半はBlockBaseの山本氏を司会に迎え、真木氏がメタップスの青木氏をゲストとして招き、対談形式で進行していく。

 対談の前に青木氏よりメタップスについての紹介が行われた。

株式会社メタップス・ブロックチェーン事業責任者の青木宏文氏

 メタップスはペイメント事業やデータアナリティクス事業などいろいろな事業展開をしていく中で、今後の主力事業領域の1つとしてブロックチェーンおよび暗号通貨関連の事業を行っていると青木氏はいう。上場企業で初めてICOをしたり、海外では仮想通貨交換所を運営している傍ら、特に注力しているのがNFT関連事業で、アプリケーションをいくつか開発しているとのこと。メタップスもまた、現在、マーケットプレイスを開発中だという。

 ここで司会の山本氏は、パネルディスカッションの本題に触れる前に、前半の真木氏によるNFTの解説を受けて、NFTについて山本氏も含めて会場の解釈のすりあわせをする意味で、山本氏自身が解説を聞き理解したNFTについて、パネラーの2人に投げかけた。

 山本氏いわく、仮想通貨というのは円と同じように、100円は100円であり、1円1円どれも同じ価値という意味で使っている。しかしNFTは、1円1円がそれぞれにパラメーターを持っていて、独自であり価値もまちまちであるという解釈だが合っているか? と問いかけた。

 おおむね、それで合っているのではないかという青木氏。基本的に仮想通貨は名前の通り通貨的な使われ方をするが、NFTは1つ1つに識別できるIDが振られているので個別商品のようにデータを扱うことに適していると回答をした。

 識別子が異なることにより、それを受け取った人の反応や感情が変わってくると真木氏は補足した。たとえば1万円をもらった人は、1万円のIDが1だろうが1000だろうが、IDに関係なく1万円をもらった喜びに大差はないという。それが1万円の性格のいい福沢諭吉君と、性格の悪い福沢諭吉君がデジタルアセットとして存在したときに、どちらかというと性格のいい福沢諭吉君をもらったほうがうれしいだろうという。また、それが自分のことを助けてくれる諭吉君だとしたら、将来的に1万円より高値で取引される可能性が出てくるというのだ。つまりIDが異なり性質が異なるデジタルアセットというのは、受け取った人の感触も異なるのだと、真田氏はいう。

事業開発から見たブロックチェーンの活用事例

 現時点のブロックチェーンをそもそもビジネスに取り入れるというのは、事業者にとってはかなりの英断ではないかという山本氏。仮に開発者に知識や理解があったとしても、会社で稟議に通すのはなかなか大変ではないだろうかというのだ。元々ブロックチェーン事業者ではないメタップスでは、どういうステップでブロックチェーン事業を始めたのかと青木氏に問いかけた。

 メタップスとしては、既存事業を進めていく中で、既存事業以外でこの先に新規参入していく領域はどこかということを常に考えていたという青木氏。特に新しい技術を使って今後市場ができる領域を考えたところ、当然ながらAIやブロックチェーンといった候補が挙がったという。そこでブロックチェーンは注力領域の1つとしてやるべきだという判断があり、まずはブロックチェーンに参入をしたという経緯だったとのこと。

 メタップスの参入初期は、金融寄りのブロックチェーン事業から始めたそうだ。自社紹介でも説明したように、韓国で仮想通貨交換所を始め、国内でも元々はICOのプラットフォームをリリースする予定だったという。これらを進めていく中で、なかなか法的な整備が整わず、特に国内においては事業展開ができないという経緯があり、金融領域でスピード感を持って事業を進めるのはかなり難しいという状況から、現在は金融領域ではない分野に注力しているという。その題材の1つとしてNFTがあるとのこと。

 真木氏に対しては、実際にNFTのマーケットプレイスを運用してみて、その手応えや売り上げはどうか? という質問が投げかけられた。

 マーケットプレイスでは、実際に「CryptoKitties」「My Crypto Heroes」「くりぷ豚」のデジタルアセットを扱っているが、まだ取引量が少ないため、手数料をいただくというビジネスモデルとしては、まだまだだと真木氏はいう。このビジネスは取引量が増えないと、なかなか売り上げも上がっていかないという側面もあるが、BlockBaseとしてはそこだけをキャッシュポイントとしては見ていないとのこと。実際にマーケットプレイスを運営することでお金を得るというよりも、どうやったらデジタルの価値の移転ができるようになるのかという文脈で物事を考えていくことが大事だというのだ。またゲーム以外のコンテンツの移転はどうなるのか。たとえばテキストや音楽、動画など、ゲーム以外の今まで誰も価値を付けていないようなコンテンツを流通させたら面白くなるんじゃないだろうかというような世界観を持つことが重要だという。権利の移転など、新たに価値の流通を作り出すことができるプラットフォームをすでに持っていることが重要なのだと真木氏は語る。そうした環境があるからこそ、いろいろな事業者と話を進めなから、何か新しいものに価値を当てはめてみようという議論や、それを流通させてみたらどうなるのかという話ができるのだという。「bazaaar」の最大のポイントはそこにあると考えていると真木氏は力説する。

 ブロックチェーンというと仮想通貨もあるし、他にもマイニングやICOなど選択できる要素は多々あるが、なぜ2人はNFTに注目しているのかという興味深い質問も出た。

 青木氏は、選んだ観点はいくつかあるという。1つはタイミング。もう1つは新しいものが生み出せるかどうか。この2つが大きな理由だそうだ。

 タイミングというのは、ユーザーがちゃんと付いてくるかどうか。しっかりとユーザーが付いてくるプロダクトを出していきたいといつも考えているが、NFTに関してはゲームに少しずつユーザーが定着しつつあるタイミングだと考えているという。ブロックチェーンのユースケースとして、この領域はしっかりと定着し、急速に立ちあがるという見立ての元に動いているとのこと。

 もう1つは青木氏の頭の中で、NFTを使うことでいろいろな新しいものが未来像として描けているので、そこを注視したそうだ。

 青木氏は2017年に「CryptoKitties」が出て、すぐに猫を1匹買ったという。そのまましばらく放置した後、DAppsブラウザを使った際に買った猫が表示できて、その瞬間にEthereum上で猫を飼っているという感覚が沸いたというのだ。これは、今までのWebアプリケーションにはなかった体験で、そこにすごく新しい体験、新しいプロダクトの種が植わっているなと感じたそうだ。

 それを聞いた真木氏もまた、新しいユーザー体験というのは本当にそうだなと共感できるという。実際にマーケットプレイスを運営していて思うのは、当初はデジタルアセットいう電子データを売買するために、どんなアセットを売ろうかとか、何を仕入れたら売れるだろうかというように考えていたが、それを続けていくことによってだんだん電子データがモノに思えるような感情が生まれてくるというのだ。恐らく八百屋さんがネギや大根を仕入れて売る感覚と変わらないのではないかという。やってみて感じるユーザー体験という部分は、非常に興味深いと真木氏はいう。

どのようなデジタルアセットを扱ってみたいか

 将来的にどのようなデジタルアセットを扱ってみたいかという質問に対して青木氏は、VRやMR、いわゆるXRといわれる領域のアイテムは扱ってみたいとのこと。バーチャルな世界とブロックチェーンは相性がいいと思っているという。VRは視覚のリアリティやフィードバックのリアリティを追求する技術だと思うが、ブロックチェーンは別の観点でデジタルなものにリアリティを持たせることができる技術なので、よりリアリティが追及できるというのだ。特にNFTはデジタルなデータに固有性を与えるものであり、独立したデータとしてデジタルの世界で情報共有することができるので、Aさんの持っている猫とBさんの持っている猫は違うものとして扱うことができ、また固有性の他にも個数制限等が生まれるので、デジタルデータでありながら所有感としてのリアリティが追及できるのだというのだ。

 VRについては同感だと真木氏もいう。以前、会社にお願いをして自分の3Dの全身のリアルアセットを作ったことがあるが、それを手に入れてから真木氏にはこの3DデータをNFT化したいという欲求があるという。その延長線上には、VTuberのデジタルアセットをNFTで登録して、それらのデジタルアセットを買ったら、そのVTuberになれるような世界観が作れると考えているという。そういうことをやりたいですよねと真木氏がいうと、青木氏もまた、やりたいと同調し、盛り上がった。さらに両氏は、ちまたで見たものをこれはNFT化できないだろうかと常に考えてしまうクセがついてしまったというところもまた、共感しあっていたのが印象的だった。

高橋ピョン太