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代替不可トークンを活用した楽曲配信の実証実験にBlockBase社らが着手

無償MP3ファイルの原盤権の一部をトークンで価値化し利用許諾の仕組みを簡易化

音楽配信へのNFT活用にBlockBase、Maltine Records、コバルト爆弾αΩが着手(BlockBaseより引用、以下同)

 ブロックチェーン技術の導入コンサルティングを行うBlockBase株式会社は5月16日、代替不可トークン(Non-Fungible Token、略称:NFT)を活用した音楽配信の実証実験を実施することを発表した。トークンによって原盤権が付属した音楽ファイルと、そうでない音楽ファイルの価値に、明瞭な違いを持たせることが実験の目的とのこと。

 実証実験では、インターネット上で無償配布するMP3音源ファイルに関して、レコード製作者の権利(原盤権)の一部をトークン化し配信する。このトークンの保有者は著作者や管理団体に対してその都度利用許諾を得ることなく、MP3音源のコピー、配布、Remix、カバー演奏が自由に行えるという。

 従来、音楽を含むデジタルコンテンツの配信においてはDRMによる保護が主流である。BlockBase社は、従来方式は視聴権を販売するような形態であり、現代には馴染まないと仮説している。今回の実証実験では、視聴権をフリーとする音楽ファイルにおいて、より上位にあたる複製権・譲渡権といった権利をNFTを用いて扱えるようにする。

 BlockBase社は、インターネット上のレコード・レーベルMaltine Records、ライブペイントシステムやVJソフトの開発を手がける「コバルト爆弾αΩ」と共同で今回の実証実験を行うとのこと。発行するトークンはBlockBase社が展開するNFTのマッチングプラットフォーム「bazaaar」で権利移転が可能だという。bazaaarについてはBlockBase社のMeetup取材記事にて詳しく扱っているので、併せてご確認いただきたい。

 今回の実証実験では、アーティスト「Mitaka Sound」がリリースする「ACID ACID EP」の4つのMP3ファイルについて、トークン化した原盤権の抽選配布を行うとのこと。抽選については先述のbazaar基盤上にて受付が開始している。原盤権を付与していないMP3ファイルは別途無償で配布されるという。

bazaarの「ACID ACID EP」を扱うページ。原盤権トークンの抽選申し込みを受け付けている。