ブックに学ぶ:『世界一やさしいビットコイン&仮想通貨』

ビットコインって儲かるの?税金は?など ビットコイン一問一答

[著者 ペロンパワークス・プロダクション]

「仮想通貨の取引を始めてみたいけど、どうしたら始められるんだろう?」と思う人も昨今はなかなか多いはず。今回は、そんな人にピッタリなムック「世界一やさしいビットコイン&仮想通貨」(インプレス刊)から、特に入門向けの記事を紹介していきます。データ類は全て2018年5月現在のものとなります。

なお、市販書籍からの抜粋のため、仮想通貨 Watch編集部の見解とは異なる場合があります。


ビットコインのここが知りたい!一問一答

 ビットコインは仮想通貨と呼ばれるものの一種で、私たちが普段使っている紙幣や硬貨といろいろな違いがあります。ここでは、ビットコインが一体どういうものなのか、その特徴や歴史について解説します。

Q.ビットコインってなに?

 A.円やドルなどの法定通貨は、各国の中央銀行により発行/管理されています。一方、ビットコインをはじめとする仮想通貨は発行量があらかじめ決まっていて、発行元がありません。決められたプログラムに従い、世界中のユーザーが共同管理しています。

 また紙幣や貨幣などの実体がなく、価値(価格)の変動幅が大きいのも特徴です。今後は買い物の決済方法として使える場所も増えてくるでしょう。

ビットコインの4つの特徴

1.価格が変動する
2.紙幣や貨幣が存在しない
ビットコインは一日で10~20%も変動することが珍しくありません。そのため、法定通貨の取引よりも短期で大きな利益を得られる可能性があります
ビットコインは紙幣や貨幣のような実体がなく、いわば価値をもったデジタルデータです。取引や保管はネットワークを介して行われます
3.決済に利用できる
4.管理の母体が存在しない
ビットコインで決済できるネット通販業者や店舗が増えてきており、クレジットカード決済に比べ、手数料が安いというメリットがあります
ビットコインは中央銀行のように管理の母体が存在しません。そのため両替の必要がなく、取引所などで海外のユーザーとすぐに交換することもできます

Q.ビットコインはどうやって生まれたの?

2009年
「サトシ・ナカモト」の論文をもとに開発されたビットコインのシステムは2009年1月に稼働がスタート。当時の価格は1BTC=0.09円だった。

 A.ビットコイン(単位:BTC)の誕生は「サトシ ・ナカモト」と名乗る人物が2009年に論文をインターネットに投稿したのがはじまりとされています。ただ、この人物はその後姿を消して、正体はいまだ謎のままです。

 なお、ビットコインが初めて取引されたのはアメリカのピザ屋で、ピザ2枚(当時の価値で約25ドル相当)と1万BTCが交換されました。

編集部注:ピザ屋にビットコインを支払ってピザを買ったわけではありません。詳しくは「ブロックチェーンの未解決問題」と「仮想通貨のセキュリティー」 〜楠 正憲氏のセッションなどの記事を参照ください)

ビットコインにまつわる主な出来事

Q.ビットコインって儲かるの?

 A.2015年の11月には1BTC=約3万円だったビットコインは、2017年12月には一時1BTC=200万円を超えるほど高騰しました。1日単位での変動幅も大きく、安く買って高く売れば大きな利益を得ることもまだまだ可能です。

 しかし、投資として購入する場合は、リターンだけでなく損失のリスクがあることもあらかじめ念頭に置いておきましょう。投資は全資産を使うのではなく、あくまで余裕資金をもとに行うことが、安心して運用するための大原則です。

ビットコインの値動き

Q.ビットコインはどれくらい流通しているの?

 A.ビットコインの発行量は約2,100万BTCと上限が決まっています。そのうち、2018年1月時点での発行量は約1,700万BTCとなっており、国別の取引量は日本が最も多くなっています。特に国内での取引量は「仮想通貨元年」ともいわれブームを迎えた2017年にピークに達し、同年11月の月間取引高は400万BTC以上となっています(「Bitcoin日本語情報サイト」統計データより)。

 直近は200~300万BTCと取引量は一旦落ち着きを見せていますが、今後はビットコインの普及とともに、取引量はさらに膨れあがる可能性が高いといえるでしょう。

ビットコインの取引高(国内)

Q.ブロックチェーンってなに?

 A.ビットコイン取引のコアとも言える技術である「ブロックチェーン」とは、取引をすべて記録しているネットワーク上の台帳のようなものです。一定期間内の取引がまとまったものがブロックとなり、それがチェーンのようにつながっているのでこのように呼ばれます。

 また、ブロックチェーンは銀行の取引データのように中央管理されておらず、有志の複数のユーザーが分担して取引記録やブロックの保存を管理していることも特徴です。ビットコインの場合もすべての取引がネットワークに記録されているので改ざんが難しく、そのことが安全性にもつながっています。

Q.アルトコインって?

 A.アルトコインとは、「代替のコイン」という意味の「Alternative Coin」の略称で、ビットコイン以外の仮想通貨を指します。

 現在、全世界で約1,100種類以上のコインが流通しており、ビットコインに次ぐ流通量を誇る「イーサリアム」や「リップル」、ビットコインから派生した「ビットコインキャッシュ」などが有名です。

主なアルトコイン

Q.税金はどうなるの?

 A.利益確定した場合や、別の仮想通貨に交換した場合、発生した差益について、その額が20万円以上の場合は課税対象となります。しかも雑所得の扱いになり、累進課税が適応されるため、所得税と住民税を合わせると最大55%課税されることもあります。

 利益を得た場合は忘れず確定申告を行うようにしましょう。

所得税早見表

Q.マイニングってなに?

 A.ビットコインは取引のたびに膨大なデータ計算の処理を行い、ネットワーク上の取引台帳に追記します。この作業を「マイニング」(Mining、採掘)といい、その処理を一番早く成功させた人には報酬としてビットコインが支払われます。また専門にマイニングを行って利益を得る人を「マイナー」と呼びます。

 ビットコインは発行量の上限が決まっていますが、新規発行はマイナーがマイニングを行うことによってしか実現しないので、ビットコインの流通において大切な役割を担っています。マイニング作業には、非常に高い計算能力を持ったコンピューターが必要なうえ、膨大な電力を消費するので、一般家庭のパソコンでは専門設備を揃えたプロのマイナーには太刀打ちできません。

 そのため、現在は個人でマイニングを行う「ソロマイニング」ではなく、複数のマイナーで協力して高性能なマシンでマイニング作業をする「プールマイニング」が主流です。

ソロマイニング
個人で行うマイニング。報酬を得るためには一番最初にブロックを追加する必要があるため、高い計算能力をもつコンピューターと膨大な電力を使用できる環境が必要
プールマイニング
プールマイニングでは企業が中心となって「マイニングプール」と呼ばれるネットワークを介して、複数のマイナーでマイニング作業を行う。報酬もマイナーの数で分配される