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ブロックチェーンを活用した省エネ行動の促進実証 ~産官学連携コンソーシアムが計画

 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、一般財団法人電力中央研究所、東京電力エナジーパートナー株式会社、凸版印刷株式会社の4社は5月29日、環境省「平成29年度低炭素型の行動変容を促す情報発信(ナッジ)による家庭等の自発的対策推進事業」の採択案件である「家電・自動車等利用に関するナッジを活用した低炭素型行動変容モデルの構築」の実証結果の概要を発表した。今後は東京大学なども参画する産官学連携コンソーシアム体制で、ブロックチェーン技術を活用した省エネ行動の促進実証を予定しているという。

 具体的には今年度から、個人単位におけるエネルギー消費量やCO2排出量、行動履歴といったデータのブロックチェーン技術を用いたシステムによる取得を目指すとしている。また、将来的な普及方策として、個人のCO2削減量に応じてインセンティブを付与したり、事業者が省エネ・省CO2を促進したことを定量的に示すことができるような仕組みのプレ実証を行う予定とのことだ。

 ナッジ(nudge)とは、英語で「そっと後押しする」という意味で、2017年ノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学行動経済学者リチャード・セイラー氏と、ハーバード大学法学者キャス・サンスティーン氏が提唱した、行動変容を促すための方法論。欧米では省エネ政策の立案や改善にナッジが反映されつつあり、日本でも環境省が主体となって行動科学的なアプローチの普及を目指す「ナッジ・ユニット」が発足されるなど、国内外でナッジを活用した取り組みが広がっているという。

 なお、コンソーシアムの一員である電力中央研究所が3月20日に発表した「2018年度事業計画・収支予算について」では、顧客満足度の向上策として、エネルギー利用分野においてブロックチェーン技術を新たな顧客サービスの提案に繋げる計画が示されている。コンソーシアムで検討されているブロックチェーンのプレ実証も、この計画に沿う方向性であるものと思われる。