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政府の知的財産戦略ビジョンでブロックチェーン技術の活用について言及 ~適正な対価還元で「三方よし」が実現できるシステムの構築へ

 安倍総理は6月12日、首相官邸で知的財産戦略本部を開催。「知的財産戦略ビジョン」と「知的財産推進計画2018」を決定した。特に「知的財産戦略ビジョン」では今後が期待される新技術として、何カ所かで仮想通貨やブロックチェーンについて触れられているので、抜粋して紹介する。

 「知的財産戦略ビジョン」ではまず、ブロックチェーン技術を活用した仮想通貨の広がりについて言及。従来は各国が発行する法定通貨が経済活動の基軸であったが、政府外主体が発行し世界中で瞬時に送金可能な仮想通貨によって、消費者の決済やベンチャー企業の資金調達、価値貯蔵の方法が変わる兆しが出てきているとしている。また、分散型台帳技術はデータの透明性と信頼性を確保する手段として、金融分野以外でも応用が模索され始めていることに触れている。

 中・長期的には、2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)を実現するため、ブロックチェーン技術やAIなどを活用した、次世代のコンテンツ創造・活用システムを構築するとしている。SDGsの発想とも共通性のある「三方よし」「会社は社会の公器」のような考えを活かしながら、複数軸で価値が評価される仕組みとその実践が望ましいとする。

 その際、権限のある特定の者が評価するような中央集権的なやり方ではなく、多様な者が意思決定や評価プロセスに参画することが多元的な価値を実現し、全体の便益をより大きくするものと考えられるとしている。また、適正な対価が関係者へ還元されるよう、権利管理や利益配分の自動化・簡略化を進め、制作・活用の両方でのコラボレーションを活性化し、新たな資金調達手法を構築し、二次利用市場の拡大などを円滑化しつつ、海賊版を根絶するような仕組みを目指すとのことだ。

資料「知的財産戦略ビジョン」(PDF)より引用