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経済産業省、ブロックチェーンをはじめとする分散型システムに対応した技術・法制度の調査報告書を発表

法制度上の課題調査やサービス構築に必要な要素整理

 経済産業省は7月23日、ブロックチェーンをはじめとする分散型システムの社会実装を後押しすることを目的として、必要な技術・法制度などに関する調査報告書を発表した。この「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(分散型システムに対応した技術・制度等に係る調査)」報告書(概要版)は、同省が2016年4月に発表した「ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査」の続きで、システム評価軸や法制度上の課題調査、サービス構築に必要となる要素技術の整理が行われている。

システム評価軸と評価項目(「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(分散型システムに対応した技術・制度等に係る調査)」報告書(概要版)より引用、以下同)

 ブロックチェーン技術を活用したシステムの評価は、ユースケースとして3件が選定。医療・ヘルスケア分野の治験データ管理プラットフォーム、物流・サプライチェーン・モビリティ分野のEVバッテリーライフサイクル管理プラットフォーム、スマートプロパティのスマートトークンプラットフォームがそれぞれ、具体的な評価項目を基に評価されている。

医療・ヘルスケア分野の治験データ管理プラットフォーム
物流・サプライチェーン・モビリティ分野のEVバッテリーライフサイクル管理プラットフォーム

 法制度面での課題調査では、ユースケースに応じて課される法令が異なるため、医療・ヘルスケア分野と物流・サプライチェーン・モビリティ分野について、弁護士などの有識者で構成される検討会にてそれぞれ議論が行われた。横断的なテーマとしては、ブロックチェーンを活用した電磁的記録による交付などの適法性、スマートコントラクトによる契約の有効性、トークンの移転に伴う権利移転の有効性などが法制度上の論点として指摘されている。

 「性能効率性」「保守・運用性」「セキュリティ」の評価軸で既存システムと比較すると、サービス構築に必要となる要素技術は以下のような課題があるとする。性能効率性では、処理速度、台帳データサイズ。保守・運用性では、容易性と秘匿性、脆弱化した際の運用継続性、スマートコントラクトの開発運用。セキュリティでは、機密性、ノード管理者のID管理やアクセス制御、鍵管理、個人データ管理、台帳入力時のデータ信頼性担保が挙げられている。それぞれ、解決のための要素技術の研究開発状況がまとめられている。