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近鉄と三菱総研がブロックチェーン活用デジタル地域通貨の社会実験を実施

購買処理回数1.5万回でトラブル率0.1%未満だった1回目より規模・機能を拡充

 近鉄グループホールディングス株式会社と株式会社三菱総合研究所は9月7日、ブロックチェーン技術を活用したデジタル地域通貨「近鉄ハルカスコイン」の実用化に向け、大阪市などと連携した2回目の社会実験を実施する。期間は10月1日から12月10日で、参加施設はあべのハルカス(大阪市阿倍野区)と周辺の施設や商店約400店舗。実験参加対象は近鉄グループホールディングスが提供するグループポイントサービス「KIPSカード」の会員約165万人のうち、希望者全員。

 1回目の社会実験は、2017年9月1日から10月1日にかけて行われた。実験店舗はあべのハルカス約200店舗などで、実験参加者はKIPSカード会員から5000人を募集と、2回目より限定的。実験店舗での買い物時に、店舗のタブレット端末に表示されるQRコードをユーザーのスマートフォンで読み取り、ユーザーがタブレット端末に近鉄ハルカスコインを送って決済するという方式。実験では購買処理回数1万5,000回のうちトラブルは13件と、0.1%未満であった。実験には10代から80代まで参加しており、利用者アンケートでは88.8%が「操作は簡単だった」と回答している。

 2回目の社会実験では実験店舗の拡大とともに、固定QRコード決済方式を導入。また、近鉄ハルカスコインを現金で追加発行できるチャージ機を設置。1コイン1円相当で発行し、期間限定プレミアムが10%付く。実験参加者間での譲渡を可能にするほか、日本赤十字社への寄付受付も行う。1回目の実験で開発したプラットフォームを拡充し、顧客情報のプライベートクラウドへの保管などセキュリティ面も強化。実用化以降も継続して利用できるシステムを構築する。

 近鉄グループホールディングスは、近鉄ハルカスコインの発行とKIPSシステム基盤の活用と実際の運用を担当。三菱総合研究所は、システム全体の開発および運用のマネジメント。開発パートナーとして、ユーザーの利便性向上検討は株式会社三菱UFJ銀行、プラットフォームの開発・運用は三菱総研DCS株式会社、コインのチャージ機試験運用はオムロンソーシアルソリューションズ株式会社、近鉄百貨店内の端末・通信ネットワークの提供はNTTドコモ、ブロックチェーン技術の開発には株式会社chaintopeが協力している。