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ユニセフ、ブロックチェーン活用で世界的な課題解決を目指す新興国企業に投資

分散型意思決定プロセス作成と、分散型台帳技術を推進する大規模プロジェクトの一環

 公益財団法人日本ユニセフ協会は12月18日、ブロックチェーン技術を用いて世界的な課題解決を目指す途上国や新興国の企業に対し、ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)が投資を行うことを発表した。ユニセフ・イノベーション・ファンドを通じて申請された世界50か国、100件以上の候補から、弱い立場の人々にとっても公平かつ公正な方法で技術の成長・成熟を助けるという観点で、6社を採択したとのこと。投資額は上限10万米ドルとなる。

 ユニセフは現在、スマートコントラクトを用いた分散型の意思決定プロセスの作成と、分散型台帳技術の教育と理解を促すための大規模プロジェクトを推進している。Atix Labs、Onesmart、Prescrypto、Statwig、Utopixar、W3 Engineersの6社に対する今回の投資もその一環となる。これらの企業は、保健ケア実施における透明性、低価格での携帯電話サービス、社会的影響のあるプロジェクトへの資金や資源の融資など、世界的な課題を解決するプロトタイプやシステムの構築などに取り組んでいる。

  • Atix Labs(アルゼンチン)
    中小企業が資金を調達し、資金の使用を追跡したり影響を測定できるプラットフォームの構築
  • Onesmart(メキシコ)
    新興市場における資金の不正流用に対処し、国の社会サービスを確実に子どもや若者に提供するためのプロトタイプのアプリケーション開発
  • Prescrypto(メキシコ)
    途上国における電子処方箋の不足に対しデジタルによる解決策を提供し、医療従事者による患者の診療履歴への閲覧を一元化し、医療ケアの水準を向上させる
  • Statwig(インド)
    サプライチェーンの管理システムの強化を通じて、ワクチンの効率的な供給を実現する
  • Utopixar(チュニジア)
    コミュニティや組織のための参加型意思決定プロセスや価値の転換を促進するためのソーシャルコラボレーションツールを提供する
  • W3 Engineers(バングラデシュ)
    SIMカードやインターネットへの接続を不要とするオフラインのモバイルネットワーキングプラットフォームを通じて、難民、移民のコミュニティ内でのつながりを向上させる

 ユニセフ・イノベーション・ファンドは、これまでにもデータ科学や機械学習、VR、ドローンといった分野に関するテクノロジースタートアップ企業20社に投資しており、今回の6社がそれに加わるという。今後は、スタートアップ企業への投資に加えて、製品や技術サポート、ビジネスの成長におけるサポート、専門家やパートナー企業とつながる機会を提供していくとのこと。