仮想通貨(暗号資産)ニュース
岩手銀行ら地銀4行、ブロックチェーン活用の金融基盤を共同運用開始
複数金融機関の帳票データを1画面で管理する電子交付サービスが利用可能に
2019年3月5日 11:31
株式会社岩手銀行は3月1日、ブロックチェーン技術を活用し、株式会社青森銀行、株式会社秋田銀行、株式会社山梨中央銀行と共同で構築した金融サービスプラットフォームの運用を開始した。このプラットフォームは、金融機関や事業者が共同で金融関連サービスを提供するために、クラウド上に構築したサービス提供基盤システム。最初のサービスである電子交付サービスは、一つの画面で複数の金融機関や企業からの帳票データを受け取り、管理することが可能となる。
本取り組みは、2017年7月に発足した金融サービスプラットフォームコンソーシアムが推進してきたもの。同コンソーシアムは岩手銀行他、青森銀行、秋田銀行、山梨中央銀行らが発足時から加盟し、現在24会員となっている。金融サービスプラットフォームは2018年1月より構築開始、同年11月より試験運転が実施されていた。
金融サービスプラットフォームを共同基盤として運用するにあたって、運営主体として株式会社フィッティング・ハブが2月12日に設立された。同社は先述の地銀4行に加えて、日本アイ・ビー・エム株式会社、株式会社AIT、日本電気株式会社からの共同出資を受ける。
金融サービスプラットフォームは、ブロックチェーン技術とデータ暗号化技術を組み合わせることで、安全かつ低コストでのシステム構築を実現したとされ、同技術は現在特許出願中であるという。従来のシステムでは各行のWebサービスを通じて顧客と銀行が1対1でやり取りをしていた。同プラットフォームでは、銀行側のデータをブロックチェーンで共有し、顧客は共通の認証システムを介してアクセスすることで、金融機関を意識することなくサービスを利用できるという。
最初のサービスとして提供される電子交付サービスは、複数の金融機関や企業からの書類を一つの画面で管理、検索できるようにするもので、事務効率化に役立つという。交付書類はブロックチェーンの耐改ざん性によって、信頼性が確保されているとのこと。同サービスは岩手銀行では3月1日よりスタートしており、4月から秋田銀行でも提供予定とされている。
金融サービスプラットフォーム上では、基盤上でどのようなサービスを共同提供するか、各金融機関や事業者で選択することが可能だという。2018年1月の発表時、岩手銀行は今回提供が開始された電子交付サービスの他に、データ授受サービス、取引明細サービスの提供も予告している。それぞれ、複数の金融機関のデータを1つの画面でまとめて処理することを可能とするサービスとなる。