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GunosyとAnyPayの合弁会社LayerX、秘匿化ブロックチェーン「Zerochain」を発表

アカウントベースの秘匿化でパブリックチェーンデータを暗号化、プライバシーを保護

ブロックチェーン開発用フレームワーク「Substrate」をベースとするZerochain(プレスリリースより引用、以下同)

 ブロックチェーン技術を開発する株式会社LayerXは3月25日、秘匿化ブロックチェーン 「Zerochain」プロジェクトを発表した。Zerochainは、ZcashやMonero、Grinなどに代表される秘匿ブロックチェーンの性質を持つ。ブロックチェーン上のデータは暗号化され、第三者には閲覧することができなくなる。ブロックチェーンの課題であるプライバシーの保護を目的とする。他の秘匿ブロックチェーンにはない、アカウントベースの秘匿化を実現する。

 Zerochainは、Ethereumのノード運用ソフトウェアなどを開発しているParity社が開発するブロックチェーン開発用フレームワーク「Substrate」をベースに実装されている。Zerochainは、Substrate上でゼロ知識証明を用いて秘匿化を適用した最初のブロックチェーンとなる。将来的にはWeb3財団が開発するマルチブロックチェーン基盤であるPolkadotに接続し、秘匿化のためのブロックチェーンとして機能させることが可能だという。

 先述した既存の秘匿ブロックチェーンはUTXOベース、平たく言うと通貨の移動量をベースに設計され、アカウントにひも付くUTXOの秘匿化という手法で暗号化を実現している。一方、Zerochainはアカウントベースで秘匿化をするブロックチェーンであり、根本の設計から異なる。秘匿ブロックチェーンとして、アカウントベースの設計に基づくものはZerochainが世界初となる。従来手法に対して下記のメリットがあるという。

  • ゼロ知識証明の計算コストの削減
    算術回路の乗算ゲート数ベースでZcashに対して83%の計算コストを削減する。
  • on-chainストレージコストの削減
  • シンプルなペイメント以外のアプリケーション応用への柔軟性

 本来、ブロックチェーン上に記録されるデータは誰でも閲覧可能だが、Zerochain上に記録されているデータは暗号化されているため第三者が閲覧することはできない。ただし、トランザクションデータの完全な秘匿化はパブリックチェーンとしての機能が不完全になることから、Zerochainは、閲覧専用の鍵(Decryption Key)を利用することで、プライバシーを維持しつつ会計や税務のための監査を実施することも可能となっている。

 Zerochainが採用するアカウントベースでの秘匿化の欠点として、アドレス(mapping構造のKey側)秘匿化実装の複雑性や、金融商品取引法で禁止されているフロントランニングの対策の必要性などが挙げられている。フロントランニング対策など、さらなるセキュリティ対策は今後の実装予定としている。

 その他、暗号アルゴリズムなど、Zerochainの詳細な仕様はLayerXの発表をご確認いただきたい。Zerochainを開発するLayerX社は、株式会社GunosyとAnyPay株式会社がブロックチェーン関連領域のサービス開発を行う合弁会社として8月1日に設立された。ブロックチェーン領域のコンサルティングとプロダクト開発などのサービスを国内外で展開する。