仮想通貨(暗号資産)ニュース
ハーチがNEMモザイク利用の社内ポイントを試験運用、従業員の高い満足度を報告
2種のトークンで一人勝ちにならないピアボーナス制度を実現、従業員間の感謝を見える化
2019年4月4日 13:11
ハーチ株式会社は4月4日、同社ブログにてブロックチェーンを活用した社内ポイント制度「GIFT」の導入に関して報告を行った。同社は3月より、自社内での「GIFT」の試験運用を開始した。従業員同士の感謝をポイント化して送り合い、各自の給与に反映する、ポイントベースのピアボーナス制度となる。
「GIFT」は仮想通貨NEMのブロックチェーンを活用する。システムの開発は合同会社むすびてが行ったとのこと。実際の運用では、ハーチの従業員全員がNEMのブラウザウォレットを導入し、トークンのやり取りを行っているという。NEMのトークン発行機能「モザイク」を利用したトークンを使用する。
「GIFT」は、GOODとGIFTと呼ばれる2つのトークンを使用する。従業員は毎月1000GOODを会社から受け取る。各員は同僚に対する感謝の気持ちとして、100GOOD単位で送付することができる。従業員が他の誰かにGOODを送ると、会社共通のウォレットに同量のGIFTが蓄積される。それぞれが獲得したGOODと共通ウォレットのGIFTを頭数で等分したものを合算し、各自の給与に上乗せするピアボーナスの仕組みとなる。
ハーチはかつてモチベーション向上施策として「MVP制度」を導入し、社内の月間MVPを投票で決定し賞金を出していたという。一人一票かつ受賞者一人が全賞金を獲得するというシステムであるため、特定のポジションの人が受賞しやすいなど受賞者が一定化されてしまう問題があった。「GIFT」では、個人が複数票を持ち、共通ウォレットの存在で不公平感を払拭している。
「GIFT」の導入から1か月を経て、初月は2万GOODのうち、18600GOODが従業員間で利用されたとのこと。利用した従業員からは新制度に対するポジティブなフィードバックが得られたという。一方でNEMのブラウザウォレットの操作上の分かりにくさや、給与への反映の煩雑さといった課題もあるとしている。
ハーチは今後、GOODの移動を分析し、メンバーの評価の質向上や業務分担の改善ツールとしての利用も検討するという。また、「GIFT」のシステム開発を担当したむすびて社と共同で、企業向けのピアボーナス運用サービスを提供予定とのこと。