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米R3社のブロックチェーンCordaで貿易決済をデジタル化、Microsoft社Azure上で実証実験

50社超の銀行や企業による世界規模の実証実験完了を報告、参加者の96%が効率化を実感

(Image: Shutterstock.com)

 Voltronイニシアチブは、貿易金融プロセスにて紙ベースで行われている「レターオブクレジット」(L/C:信用状)のやり取りについて、米R3社のブロックチェーン技術Cordaを活用して効率化を図る。Voltronイニシアチブは5月8日、50社を超える銀行や関連企業が参加した世界規模の実証実験の完了と、その成果を報告した。

 貿易決済を円滑に行う手段として銀行が発行する紙ベースの支払い確約書「L/C:信用状」は、全世界の輸出取引の11%から15%程度に使用されており、年間1兆米ドル以上を占めているが、非効率的で費用と時間がかかるという。Voltronは、それをデジタル化しブロックチェーンにて信用状の発行、管理、運営を行い、効率化を図るという。

 今回の実証実験では50を超える銀行と企業が参加し、六大陸27か国で複数のデジタル信用状取引シミュレーションを行った。参加者の96%が、Voltronは信用状発行プロセスを加速し、効率を改善、そしてコストを削減すると述べたそうだ。Voltronは、グローバルな接続性、同期されたリアルタイムの更新、完全なデータ提供、監査環境をユーザーにもたらすことが明らかになったという。

 Voltronイニシアチブは、Bain社、CryptoBLK社、R3社のパートナーシップにより、Microsoft社のAzureクラウドプラットフォーム上で実施されたことも明かされた。アプリケーションは、CordaとCorda Enterpriseの両方と互換性を持つように設計、構築されているという。デジタル方式は、現在の紙ベースのシステムよりもはるかに高速で信頼性が高くコストパフォーマンスに優れている。ブロックチェーンにより不正取引のリスクを軽減し、時間のかかる照合プロセスも排除するという。