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ブロックチェーン活用の機密情報共有システム、住宅ローン事前審査における技術検証を完了

トッパン・フォームズとZBBが開発。2020年4月の商用展開目指す

技術検証を行ったデータ流通モデル。ブロックチェーン上では個人情報の所在を示すアドレスのみを共有する(ゼロビルバンク・ジャパンの発表資料より引用)

 凸版印刷の連結子会社であるトッパン・フォームズ株式会社とブロックチェーン技術を開発するZEROBILLBANK JAPAN株式会社(以下、ゼロビルバンク・ジャパン)は5月13日、個人情報や機密情報の保管・管理へのブロックチェーン活用の技術検証が完了したことを発表した。検証した新たなデータ流通モデルを基盤とし、2020年4月までに商用利用を目指すとのこと。

 両社は技術検証で、ブロックチェーンと個人情報をセキュアに管理するデータベースの一種であるPDS(パーソナルデータストア)を組み合わせたデータ流通モデルを検証したという。ブロックチェーンで個人情報そのものを共有するのではなく、PDS内の個人情報の所在を示すアドレスを共有する。個人情報を伝播させずに、管理主体の違う環境へ必要な情報を連携する技術となる。

 このモデルについて、適切な権限を持つ事業者のみが参照、利用できるかについて検証を行ったという。その第1弾として、住宅ローン事前審査モデルにおいて、ユーザーが入力したデータを安全かつ適切に分別流通できるかを検証した。これは、ゼロビルバンク・ジャパンが2018年12月に全国保証株式会社および株式会社ナレッジコミュニケーションとともに共同研究を実施すると発表していたもの。

 技術検証を経て、運用する不動産会社にとっては、窓口での住宅ローン審査の簡素化や、審査結果を基にした最適な提案が可能となる。また、ユーザーは機関に保証された最適な住宅ローンの選択が行えるようになるなどのメリットが期待されたという。

 トッパン・フォームズとゼロビルバンク・ジャパンは今後、異なるユースケースでもデータ流通モデルの検証を行い、開発を進めていくという。さまざまな関連企業が大規模なシステム開発を行うことなく、データをセキュアな状態で容易に共有できるプラットフォームを構築し、2020年4月までにサービスとして提供する方針を明らかにした。