仮想通貨(暗号資産)ニュース

金融庁、ゲーム内トークン・2号仮想通貨・ICOなどに対する考え方を明確化

事務ガイドライン改正案に寄せられたパブリックコメントに対する結果を公表

金融庁は9月3日、「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果について公表した。6月21日に公開した事務ガイドライン改正案の「16 仮想通貨交換業者関係」一部改正(案)について、意見公募により一般より募集したパブリックコメントに対して金融庁の考え方を示した。

金融庁は、6月21日から7月22日にかけて改正案(参考記事)を公表し、広く意見の募集をした。改正案では、仮想通貨交換業者に関係する項目において、「ICOへの対応」として新たに項目を設けたほか、「取り扱う仮想通貨の適切性の判断基準」や「マネーロンダリングおよびテロ資金供与(AML・CFT)」など、7項目が新たに明文化された。その結果、改正案に対して12の個人および団体から、32件のコメントが集まった。

例えば金融庁は、DAppsがERC-721形式でゲーム内での固有トークンを発行することに対して法的な規制はあるかといった質問に対しは、資金決済法に規定する仮想通貨の該当性については、実態に即して個別具体的に判断されるべきものと考えているとした。指摘のトークンが仮想通貨に該当し、その売買などを業として行う場合には、仮想通貨交換業者としての登録を要し、法令に基づく必要な規制を遵守する必要があると回答した。

また、2号仮想通貨(暗号資産)について1号仮想通貨と「同等の経済的機能を有するか」との基準を設けるべきではなく、同等の経済的機能とならないような制限を加えることで、資金決済法に基づく規制の対象外になりかねないといった意見に対して金融庁は、例えばブロックチェーンに記録されたトレーディングカードやゲーム内アイテムなどは、1号仮想通貨と相互に交換できたとしても、基本的には1号仮想通貨のような決済手段等の経済的機能を有していないと考えられることから、2号仮想通貨には該当しないと考えられると回答した。

2号仮想通貨の定義については、物品等の購入に直接利用できない又は法定通貨との交換ができないもののうち、1号仮想通貨と相互に交換できるもので、1号仮想通貨を介することにより決済手段等の経済的機能を有するものについては、1号仮想通貨と同様に決済手段等としての規制が必要と考えられるため、2号仮想通貨として資金決済法上の仮想通貨の範囲に含めて考えると示した。

暗号資産(仮想通貨)の販売は行わずに、ICOに関する発行者やトークンの適切性の審査、発行者の開示書類の作成等を受託し、これを業として行う場合には、仮想通貨交換業に該当するか、という質問に対しては、仮想通貨交換業の該当性については、実態に即して個別具体的に判断されるべきものと考えられるとした。

指摘のケースにおいて、当該委託先が仮想通貨の売買・交換等の資金決済法に規定する行為を一切行わない場合には、当該委託先の行為は、一般的には、仮想通貨交換業に該当しないものと考えられる。ただし、委託先の行為が仮想通貨交換業に該当しない場合であっても、仮想通貨交換業者が行う業務の一部を委託するものである場合には、当該仮想通貨交換業者は、資金決済法に基づいて、当該委託先に対する指導その他の委託業務の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならないとした。

そのほか、改正案に対するパブリックコメントの概要およびコメントに対する金融庁の考え方は、別紙1「パブリックコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方」にて公表している。また、具体的な改正内容については、別紙2「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」(16 仮想通貨交換業者関係)の一部改正(新旧対照表)を参照いただきたい。

なお、改正後の事務ガイドラインは、9月3日より適用されている。