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ビットコインのライトニングネットワーク、脆弱性発覚で至急アップデートが必要。被害報告も

Ptarmigan・c-lightningなど全ソフトウェアが対象。各最新版のみ対策済み

(Image: Shutterstock.com)

Bitcoinのスケーラビリティを改善し、マイクロペイメントを実現する技術ライトニングネットワーク(Lightning Network)に脆弱性が認められた。開発各社はソフトウェアの最新版で対策を実施したが、更新前のネットワークで実際に被害が出たことも報告されている。開発者らは最新版へのアップデートを呼びかけている。

現時点では、脆弱性の詳細や、具体的な被害状況は公開されていない。更新前のネットワークで脆弱性が悪用される危険を考慮し、詳細については9月27日に公開するとしている。今回の脆弱性は、ライトニングネットワークのみに生じており、Bitcoinには影響がないという。エンドユーザーは、ライトニングウォレットの資産をBitcoinのウォレットへ退避させることで被害を防ぐことができる。

ライトニングネットワークにはBOLT(Basis of Lightning Technology)という仕様があり、これに基づいてソフトウェアが開発されている。BOLTに準拠するライトニングノード運用ソフトウェアの複数のバージョンにわたって、脆弱性があることが確認されている。ライトニングネットワークの運用者は至急、以下の対策済みバージョンへ更新する必要がある。

  • Nayuta社が開発する「Ptarmigan」
    バージョン0.2.4で対策済み。バージョン0.2.3以前の全バージョンに脆弱性あり
  • Lightning Labs社が開発する「Lnd」
    バージョン0.7.1で対策済み。バージョン0.7以前の全バージョンに脆弱性あり
  • Blockstream社が開発する「c-lightning」
    バージョン0.7.1で対策済み。バージョン0.7以前の全バージョンに脆弱性あり
  • ACINQ社が開発する「eclair」
    バージョン0.3.1で対策済み。バージョン0.3以前の全バージョンに脆弱性あり

ライトニングネットワークの脆弱性は当初、8月30日に発見され、Blockstream社のラスティー・ラッセル(Rusty Russell)氏が報告した。報告時点で同社は対策版のソフトウェアを公開。同じくライトニングネットワークを開発するNayuta社、Lightning Labs社、ACINQ社も9月10日までに対策版を公開した。同日、Lightning Labs社のオラオルワ・オスントクン(Olaoluwa Osuntokun)氏が対応状況を取りまとめ、至急ソフトウェアの更新が必要だと、ライトニングネットワークの利用者へ呼びかけた。