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マイナンバーの有効利用なるか。デジタル身分証アプリ「xID」3月配信

認証や署名の履歴をブロックチェーンに記録。個人情報の入力を省力化

電子国家エストニアと日本を拠点にGovTech領域に取り組むblockhiveは2月27日、ブロックチェーンを活用した身分証アプリ「xID」(クロスアイディ)を発表した。マイナンバーカードと連携することで、手軽に本人認証をすることができるスマートフォン向けのデジタル身分証アプリ(デジタルIDアプリ)として、2020年3月にリリース予定とのこと。

xIDでは、マイナンバーカードとxIDアカウントを紐付け、ログイン時に入力要求される暗証番号(PIN1)と電子署名時に要求される暗証番号(PIN2)を設定する。以降は、連携するオンラインサービスでのログインや署名について、アプリ上で安全かつ迅速に行うことができる。認証にはスマートフォンの生体認証を利用することも可能だという。

xIDが連携するサービスでは、個人情報を何度も入力する手間が省け、登録作業に関する利便性が向上する。また、事業者もマイナンバーカードに紐づく本人確認情報を取得することが可能になるため、本人確認業務やコストを削減することができる。

マイナンバーカードから取得した個人情報は暗号化された状態でデータベースに記録されるため、xID運営者であっても確認することはできない。個人情報は、ユーザーがPIN1を入力し、同意した場合に限り、事業者側に共有することが可能になっている。また、認証や署名のログは、ブロックチェーン上に記録されるため改ざんすることができない。ただし、マイナンバーそのものの情報取得・保存は行わない。個人情報やそれに付随する情報をブロックチェーン上に記録することもないという。

エストニアで浸透しているデジタルIDアプリ

電子国家と呼ばれているエストニアは、2002年にe-IDカード(エストニア版マイナンバーカード)を提供開始している。現在では、99%の行政申請がオンライン化され、e-IDカードと連携したサービスは2700を超え、国全体にデジタルIDが浸透しているという(関連記事)。同社は、エストニアでe-IDの活用が広がった理由として、行政サービスのみならず民間サービスでの導入が増え、e-IDを利用する機会が増えたことを挙げている。エストニアの例をお手本に、xIDを活用した次世代電子行政の実現を目指すという。