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Ethereum 2.0プレリリース版、開発状況の週次公開を開始

第1弾はビーコンチェーンの導入部分

(Image: Shutterstock)

 Ethereum開発者らは1月31日、Ethereum 2.0のプレリリース版として仕様書「Ethereum 2.0 Phase 0」(以下、フェーズ0)をGithub上で公開した。2月中は各機能を段階に分け、週ごとに公開していくとしている。フェーズ0では、Ethereum 2.0で新たに採用予定のブロックチェーンの1つ「ビーコンチェーン」(Beacon Chain)の導入的な部分の仕様を公開している。

 Ethereum 2.0とは、開発コードSerenityの名で開発が進められる、現在計画されているEthereumのアップグレード最終段階だ。代表的な2つの変更点は、スケーラビリティを解決する「シャーディング」(Sharding)の実装と、コンセンサス(合意形成)アルゴリズムを現行のPoW(Proof of Work:プルーフ・オブ・ワーク)方式から、PoS(Proof of Stake:プルーフ・オブ・ステーク)方式への変更だ。これらは、現行のメインチェーンに接続する複数のブロックチェーンという形で開発が進められている。

 全容のイメージとして、Ethereum財団のコア研究者Hsiao-Wei Wang氏のプレゼンテーションよりスライドを引用する。このように、メインチェーンと同期する複数のブロックチェーンで構成されるのが、Ethereum 2.0だ。今回着目する「ビーコンチェーン」は、その根幹的な部分となる。

Ethereum 2.0におけるPoSのイメージ図(Hsiao-Wei Wang氏、Sharding implementation updates 4Q2018 & Implementing Ethereum 2.0 Todayより引用)

 PoWとPoSは、いずれもブロックチェーンのブロック生成における合意形成の仕組みだが、誰がブロックを生成するのかという部分が異なる。PoWでは無制限な参加者の中から、最も早く計算を終えた者がブロックを生成する。一方PoSでは、保有するEthereumをステークする(賭ける)人の中から、ブロック生成者を抽選で選ぶ。PoSでは、PoWで切り捨てられていた計算結果が発生しないため、ブロック生成のための総消費エネルギーが小さくなるというメリットがある。

 フェーズ0で実装される「ビーコンチェーン」は、PoSでブロック生成を担う「バリデーター」の管理を行う。バリデーターはEthereumをステークする人の中から抽選で選ばれるが、その乱数生成やEthereumのステークを扱うのがこのブロックチェーンとなる。フェーズ0では、バリデーターの登録機能のみが実装されているという。

 また、「ビーコンチェーン」はスケーラビリティを解決するシャーディングにも関わる。シャーディングでは、トランザクションやアカウントデータの処理を「シャードチェーン」(Shard Chain)という複数のブロックチェーンに分散させることで負荷を軽減する。各シャードチェーンはビーコンチェーンに「クロスリンク」(Crosslink)という仕組みでつながっており、同期を行う。

 2月第1週中に情報更新と目されるフェーズ1では、「シャードデータチェーン」と題してシャードチェーンのデータに関する一部機能の公開が予定されている。仕様の一部はGitHub上に公開されている。

お詫びと訂正:記事初出時、「Ethereum 2.0 Phase 0」を「ソースコード」として記載しておりましたが、公開内容がコードとして完結していないことから、誤解を招く表現であるため「仕様書」として改めました。合わせて、「実装」という表現を「仕様の公開」と改めました。お詫びして訂正させていただきます。