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イーサリアム創設者ヴィタリック氏、開発者支援用の新たな手数料システムに賛同

ウォレットでの送金手数料を約0.3円増額し開発者に還元する仕組み

(Image: Shutterstock.com)

 仮想通貨Ethereum(ETH)の考案者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は3月8日、Ethereumのクライアント・ウォレット開発者に、より多くのインセンティブを与えるべきという意見に賛同を示した。氏は自身のTwitter上で、開発者を支援するために、利用者のクライアント・ウォレットでの送金手数料を約0.3円増額し、それらの開発者に還元する仕組みを提案している。

 ヴィタリック氏が提案する仕組みは、クライアント・ウォレットでトランザクション時に発生する手数料(GAS代)を、1Gwei/GAS増額するもの。この増額の有無はそれらの開発者らに委ねられ、増額分が開発者らに還元されるという。氏は、この変更によってユーザーが負担するGAS代は年間平均で7%増加するものの、開発者のために200万ドルの開発資金を提供することができると主張している。


 Ethereumでは通常の送金であれば、手数料として21000GASが必要だ。仮に今回の変更が適用される場合、一回の送金あたり手数料は21000Gwei(日本円にして0.3円相当)増加することとなる。

 コミュニティからは「料金の増加への反発による、海賊版ウォレットの横行」といった懸念が挙げられた。これに対してヴィタリック氏は、ユーザー視点では1Gwei/GASのわずかな費用のために、信頼のおけないウォレットを利用することはリスクに釣り合わないとして、反論を述べた。また、氏は今回の主張を、手数料の増額を開発者に義務づけるものではなく、コミュニティに対して増額の意義を示し、それに対する理解と許容を求めるものとした。