仮想通貨(暗号資産)ニュース
ヴィタリック氏「イーサリアムのネットワークはほぼ満杯」
スケーラビリティの問題が仮想通貨普及の妨げに
2019年8月21日 06:15
Ethereum(ETH)の考案者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏がカナダの新聞トロント・スター紙のインタビューに応じた。「仮想通貨の普及への妨げは何か」という問いに対し、ブテリン氏はEthereumが抱えるスケーラビリティの問題を第一に挙げた。
ブテリン氏は現状のEthereumのネットワークを指して「ほぼ満杯」とし、スケーラビリティが大きなボトルネックであることを語った。スペースの奪い合いによるコストの高騰や、それによる参入の妨げがあるとしながら、スケーラビリティの改善策についても答えている。
Ethereumは将来的に現行のPoW(プルーフオブワーク)方式の合意形成から、PoS(プルーフオブステーク)方式へと移行する予定である。さらにSharding(シャーディング)技術によって、トランザクションの検証負荷を分割し軽減する計画だ。多少のセキュリティを犠牲にすることとなるが、これらをもって、トランザクションごとの総合的なコストを大幅に削減することができると主張した。
「それだけでEthereumがブロックチェーン技術の主流たり得るのか?」という問いに対し、スケーラビリティに加えて、使いやすさ、セキュリティ、プライバシーの課題を改善していく必要があるとブテリン氏は答えた。これらは技術的には改善が進められてきたが、実際に人々が使うものへ昇華するにはまだ時間がかかるという。技術としての成熟から、その先にある大衆層に向けた実用化までも視野に入っているということだ。