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伊藤忠商事、ブロックチェーンを用いたトレーサビリティ連携で持続可能な天然ゴムの普及を目指す

シンガポールの天然ゴムマーケット・プラットフォーム運営会社と資本提携

(Image: Shutterstock.com)

 伊藤忠商事株式会社は3月12日、「持続可能な天然ゴム」取引のためのマーケット・プラットフォームを運営するシンガポールのHEVEACONNECT PTE. LTD.(以下、HEVEACONNECT社)の第三者割当増資を引き受け、資本提携に合意した。提携を通じて、天然ゴム利用者における持続可能な天然ゴムの普及を目指す。今回の提携は、伊藤忠商事が実証実験中であるブロックチェーンを用いた天然ゴム原料のトレーサビリティ・システムとの連携も視野に入れているという。

 HEVEACONNECT社は、世界有数の天然ゴム会社であるHalcyon Agri Corporation Limitedによって2018年8月に設立された、天然ゴム売買の新たなプラットフォーム会社。近年の天然ゴムの流通においては、より高い透明性が求められる。HEVEACONNECT社のプラットフォームで売買される天然ゴムは、品質保証・環境・安全衛生等の厳しい監査を設け、独自の認証「HEVEAPRO認証」を取得した加工工場で製造されたものに限定し売買しているとのこと。

 伊藤忠商事は、今回の提携を通じ、タイヤメーカーをはじめとする天然ゴム利用者における持続可能な天然ゴムの普及を目指す。

 天然ゴムの生産は、近年、生産量の増加から生産地である東南アジアにおいて自然の森を減少させる要因の1つになっているという。農園開発に伴う森林破壊や労働者に対する人権侵害が起きていることから、WWF(世界自然保護基金)は2016年より天然ゴムの持続可能な生産と利用を目指すプロジェクトを開始。また、2018年10月に開催されたWBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)では、「持続可能な天然ゴムのためのグローバルプラットフォーム」(GPSNR)を発足し、持続可能な天然ゴムの生産に取り組み始めている。伊藤忠商事は、GPSNR設立メンバー、参加企業の1社である。

 また、同社は2月より、流通の透明性確保のために、ブロックチェーン技術を用いたトレーサビリティ・システムの構築に向けた実証実験を行っている。

 実証実験は、伊藤忠商事の子会社であるインドネシアの天然ゴム加工会社PT.Aneka Bumi Pratama(以下、ABP社)の天然ゴム原料調達サプライチェーンを活用し、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社が実証実験用のシステムを構築。スマートフォンアプリを利用し、取引内容の相互認証を行い、日時や位置情報等をブロックチェーン上に記録する。これにより、天然ゴムの生産地から加工工場までの流通の透明化を図る。また、各事業者の協力を促すため、正しく記録された取引に応じて対価を支払う仕組みなどを用意し、実証実験を行っているという。

 今回の提携にあわせてABP社は、HEVEAPRO認証を取得しプラットフォームに参加する予定だという。伊藤忠商事は、HEVEACONNECT社とトレーサビリティ・システムの連携も視野に入れ、持続可能な天然ゴムの調達および販売を目指すことを明らかにした。

天然ゴムのサプライチェーンと本実証実験のイメージ、プレスリリースより引用