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Parity、ライトクライアントベースのイーサリアムウォレットをリリース

最新バージョンからメインネットで利用可能に

(プレスリリースより引用、以下同)

 Ethereumのノード運用ソフトウェア「Parity Ethereum」を開発するParity Technology社(以下、Parity社)は4月9日、Ethereum(ETH)用ウォレットアプリ「Parity Fether」バージョン0.3をリリースした。DAppsではなく、Ethereumの軽量版ノード「ライトクライアント」をベースとした最初の公式ウォレットとなる。同バージョンより、メインネットで利用可能となった。

 「Parity Fether」は、ライトクライアントをベースとしており、P2Pでブロックチェーンに接続する分散型ウォレットと呼べるもの。バージョン0.3は、Windows、Mac、Linuxに対応するデスクトップアプリケーションである。

 従来のソフトウェアウォレットが、その動作を特定のフルノードに依存するのに対し、「Parity Fether」は不特定のフルノードとトラストレスでP2P接続することができる。ブロックチェーンそのものが利用不能にならない限り、ダウンタイムが生じないという利点がある。

 バージョン0.3は、ベータ版としてリリースされた。機能はEthereumアカウントの作成、アカウントのインポート、ETHおよびERC-20トークンの残高確認と送金に限られる。クライアントは100MB程度のメモリ消費と軽度のCPU負荷で動作する。ネットワークの状況にもよるが、インストールから数分の内にフルノードとの同期が完了し、アカウントをインポートすることができた。

「Parity Fether」の動作イメージ

 ライトクライアントは、簡単に言うとフルノードの機能制限版で、データの検証や完全な同期、情報の中継といった役割を取り除いたもの。ブロックヘッダーと自身に関係のあるデータのみをフルノードから取得し、自身に関係のあるトランザクションだけを検証する。エンドユーザー向けのEthereumのノードの新しい形態である。

 Ethereumのライトクライアントについては、Parity社が2018年7月に発行した文書をベースに、「イーサリアムのライトクライアントとは?」にて説明する。