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評価額8億円相当の不動産、フランス初ブロックチェーン上で売買成立——米Forbes誌報道

イーサリアムのトークン活用し不動産所有権を最小800円相当まで分割

※写真はイメージです。実際の当該物件とは異なります(Image: Shutterstock.com)

フランス・パリのAnnA Villaという不動産が、フランスで初めてブロックチェーン上で取引されたことが6月30日、米Forbes誌の報道により明らかとなった。取引はブロックチェーン投資基盤を提供するフランス企業Equisafeの提供するサービスによって、Ethereumのブロックチェーン上で発行されたトークンを用いて行われた。

販売されたのはパリ市内の建造物で、評価額は650万ユーロ(8億円相当)。同国の不動産会社Sapeb ImmobilierとValorcimに売却された。販売時、まず建物の所有権を合資会社SAPEB AnnAに譲渡する。EquisafeがSAPEB AnnAの権利を100個のトークンに分割してブロックチェーン上で発行。その後2つの不動産会社にトークンを分配した。このトークンはさらに1万分の1の単位まで分割することが可能だという。つまり、最小6.50ユーロ(800円相当)から不動産の権利を売買できるようなモデルとなる。

世界で初めて不動産をブロックチェーン上で販売したのは、米Propy社が手がけたウクライナ・キエフの物件で、2017年10月のことだ。同社はその後、ヨーロッパで初となるスペイン・セビリアの不動産の販売を、2018年10月に実施している。

不動産投資の流動性を高めるためにブロックチェーンを活用するという動きは昨今、具体性を帯びてきた。Forbesによると、既に市場に流通している不動産トークンは数十を数えるという。国内でも、LIFULLが不動産投資の流動性確保のためにブロックチェーン活用を検討中であることを明らかにしていた。

お詫びと訂正: 記事初出時、トークンの売却プロセスについて曖昧な表現となっていたため、情報を補足しました。