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中国で公共サービスのブロックチェーン導入進む。十数日かかる企業登記が3日に短縮

知的財産権訴訟の和解処理も大幅効率化

(Image: asiastock / Shutterstock.com)

中国内陸部にある重慶市は6月下旬、アリババの金融子会社アント・フィナンシャル(螞蟻金服)のブロックチェーン技術を活用した行政手続きプラットフォームの運用を開始した。

新華社の報道によると、プラットフォーム導入によって、重慶での企業設立の登記にかかる日数は、従来の十数日から最短3日に短縮される。

企業登記は管轄部署が多岐にわたるため、従来は複数の書類に同じ情報を書き込んだり、同じ書類をいくつもの部署に提出する必要があったが、今後は重慶市のサイト上に必要書類をアップロードすれば、自動的に審査が進むという。

重慶市によると、書類は市職員が営業許可証や印章などを確認した後、データをブロックチェーン上に送る。その後は各部署でシェアされ、部署ごとの作業が可能かつ改ざんが不可能なため、効率が大幅に上昇するという。重慶市の担当者は、「市民があちこち走り回らなくていいように、今後はより多くの民生領域にブロックチェーンを導入したい」としている。

中国では、公共サービスへのブロックチェーン技術の導入が急速に広がっている。公共サービスでは効率化の取り組みが遅れているだけでなく、属人的な面が強いため、行政手続きや病院での治療で、たらい回しにされることが日常茶飯事で、国民の大きなストレスとなっている。

ブロックチェーンは公共サービスの効率を改善する技術として注目が高まっており、テックメディア「快科技」の報道によると、特に上海市、江蘇省、浙江省、安徽省の1市3省からなる長江デルタ地域での活用が活発で、中国で確認されているアント・フィナンシャルのブロックチェーンの導入事例40数件のうち、半数以上を占めている。

消費者はブロックチェーン技術が用いられたアプリを通じて、病院でのレシート受け取りや融資の申請を行うことができ、その処理は“数秒”で完了するという。

例えば上海、杭州など7都市の市民は、居住地の地下鉄アプリから他の6都市の地下鉄のチケットを購入し、改札を通ることができる。都市をまたいだ地下鉄の切符の精算も、これまでは1~2日かかっていたが、ブロックチェーン技術の導入で、リアルタイムで処理されるようになった。

また、上海、浙江省、江蘇省、安徽省は5月22日、中国で初めて司法手続きにブロックチェーンを導入すると発表。起訴から執行までの全ての手続き、時間、被告人情報などを全てブロックチェーン上で管理し、訴訟の効率アップと裁判所の信頼確保につなげようとしている。最も早くブロックチェーンを導入した杭州インターネット裁判所では、知的財産権を巡る訴訟の処理が大幅に効率化し、訴訟前に和解に至る率が95.3%まで上昇したほか、そのうち47%が当日和解に至った。