仮想通貨(暗号資産)ニュース

新経連、暗号資産の税負担軽減やSTOの分類明確化求め金融相に要望書を提出

ブロックチェーン分野において「世界のトップランナー」を目指すべき

「ブロックチェーンの社会実装に向けた提言~暗号資産の新法改正を受けて」(新経連より引用、以下同)

一般社団法人新経済連盟(以下、新経連)は7月30日、ブロックチェーンと暗号資産に関する要望を金融担当大臣ほか関係大臣あてに提出したことを発表。新経連の会員企業が参加する「ブロックチェーンWG」において議論された内容をまとめた要望「ブロックチェーンの社会実装に向けた提言~暗号資産の新法改正を受けて」を金融担当大臣、経済産業大臣およびIT担当大臣あてに提出した。

新経連は、ブロックチェーン分野において日本は「世界に乗り遅れない」ではなく、「世界のトップランナーを目指す」を目標に、ブロックチェーンと暗号資産に関する要望をまとめた。

政府に向けた要望

要望の冒頭では、政府においては、各行政分野におけるブロックチェーンの活用について検討することを挙げている。活用の際には官民協議会を設置し、国内外の最新動向を共有することとした。協議会において、政府・自治体・民間における具体的なユースケースや社会実装に向けた課題を洗い出すことを提案する。

また、暗号資産新法に関する要望として、セキュリティトークン(投資型ICO、STO)やカストディ、ステーフルコイン、税制に対してもそれぞれ意見をまとめている。

セキュリティトークンに関しては、契約または技術により流通性が制限されている場合は、1項有価証券としての規制を課す実質的根拠がないため、譲渡対象が制限されているもの、サービス内の会員やホワイトリスト掲載者にのみ譲渡可能なもの、スマートコントラクト等により、流通性が制限されていることが担保されているものなどについては、電子記録移転権利に該当しないと府令で定めることを要望している。

またSTOに対応するためにも、米国の証券規制等も参考にしながら投資家属性等に応じたきめ細やかなルールを導入すること、株式投資型クラウドファンディングの1億円・50万円の上限を緩和するなど、将来的な制度設計を検討することを求めている。

カストディに関しては、カストディ事業者への該当性および規制内容についてはリスクベースアプローチを採用し、必要最小限の規制にとどめることなどを要望する。秘密鍵の管理方法によりリスクのないケースは、カストディ事業者とならない等のガイドラインを明確化することなどを挙げている。

ステーブルコインについては、ステーブルコインの類型ごとの法的性質をガイドライン等で明確化すること。特に、法定通貨担保型以外のコインは、非通貨建資産であり暗号資産となることを明確化するとした。

さらには暗号資産の税制に関しては、国会の付帯決議を踏まえ、暗号資産等の取引に関する所得税の課税のあり方について検討することを要望している。

全42ページにわたる新経連の要望は、暗号資産やブロックチェーンの現状整理、そして課題についても詳しく解説をしている。新経連は今後、税制の論点について議論を深め、さらなる提言を行っていくという。

ブロックチェーン・暗号資産の現状整理