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新経連、STOと仮想通貨デリバティブ規制の再考求め金融庁に意見提出

改正資金決済法の内閣府令案パブリックコメントへ提出した意見書を公開

新経済連盟(以下、新経連)は2月13日、金融庁が意見募集していた「令和元年資金決済法等改正に係る政令・内閣府令案等の公表について」に対して意見提出を行ったことを発表した。STOに関する項目と、仮想通貨デリバティブに関して4つの意見をまとめ、提出文書を公開している。

新経連が提出した意見のうち、1つ目は「電子記録移転権利」の適用除外要件に関するもの。内閣府令案においてSTOの私募には「1億円以上の資産保有要件(個人の場合)」が含まれるが、これが障壁になるという。既存の私募制度に対して加重な要件であり、リスク低減はデジタル化によって行うことが可能だという考えだ。

2つ目は、同じくSTOに関するもの。今後の制度設計にあたっては、米国の証券規制等を参考としバランスを取るべきという要望だ。STOに関して新経連は2019年7月に発表した「ブロックチェーンの社会実装に向けた提言」においても意見をまとめ、これらの要望を述べている。

3つ目は仮想通貨デリバティブに関する要望。内閣府令案には、レバレッジ倍率を仮想通貨の種類によらず一律最大2倍とする旨が記されているが、現行水準の4倍または仮想通貨の種類ごとの設定を設けるべきというもの。新経連は通貨の種類によって価格変動率が大きく異なることを指摘し、厳しい規制は利用者が海外の交換所へ流れることを懸念とした。

4つ目は、金融商品取引業者の市場リスク相当額、取引先リスク相当額及び基礎的リスク相当額の算出法に関する指摘。仮想通貨の市場リスク相当額算出にかかるリスクウェイトを100%とする根拠が不明であり、再考するべきとした。コモディティ等のリスクウェイトが18%とされている。コモディティであるWTI原油先物とBitcoinのボラティリティが同一水準であることを根拠とし、両者の間に5倍以上ものリスクウェイトの差を生じさせることは根拠不明瞭かつ加重な負担であるとした。