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マスターカード、ファッションブランドの偽物防止にブロックチェーン追跡システムを導入

米ロダルテの生産・流通を可視化。コピー商品によるハイブランドの年間損失3兆円の改善目指す

(Image: Emagnetic / Shutterstock.com)

マスターカードは、アパレルブランドやデザイナー、消費者をコピーや偽ブランドから守るため、人気セレクトショップと協力し、ブロックチェーンを活用した流通トレーサビリティシステムを導入した。

マスターカードは女性に人気のセレクトショップのフレッド・シーガル(Fred Segal Sunset)、などと提携。最初の取り組みとして、アメリカのファッションブランドであるロダルテ(Rodarte)と、画家のマリ・イーストマン(Mari Eastman)がコラボした限定コレクションの生産・流通ステップを、マスターカードのブロックチェーントレーサビリティプラットフォームで可視化した。

フレッド・シーガルの店頭、オンラインショップでロダルテのコラボ商品を購入した消費者は、衣類のタグにあるQRコードをスキャンして、商品の生産・流通記録を追跡できる。

マスターカードのデジタルパートナーシップ担当エグゼクティブバイスプレジデントのシェリ・ヘイモンド(Sherri Haymond)氏は、「革新的な技術ソリューションを活用して、消費者が購入している商品のストーリーを伝えることができる」とコメント。フレッド・シーガルのジョン・フリエソン(John Frierson)社長は、「フレッド・シーガルは先進的な小売業者として、最先端の技術で顧客に情報を知らせることを目指しています」と述べた。

市場調査会社Research & Marketsが発行した「Global Brand Counterfeiting Report 2018」によると、2017年のコピーや偽造、詐欺による損失はオンライン販売で3320億ドル(約35兆円)に達し、高級ブランドは303億ドル(約3兆2000億円)の損失を被った。

流通しているロダルテブランドのコピー品。RodarteではなくRADARTEとプリントされている(プレスリリースより引用)

マスターカードは今後、他のアパレルブランドや小売業者にもこのトレーサビリティープラットフォームの提供を計画している。

マスターカードは現在、自社サイトで暗号通貨やウォレットのエンジニアを募集しており、同分野への取り組みの強化がうかがえる。