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NECが国連WFPと技術提携。食糧支援システムに生体認証技術を提供

東京五輪でも採用のBio-IDiomを応用し世界の飢餓撲滅を目指す

NECとWFPは食糧支援の受益者管理のプラットフォームを開発する(発表資料より引用、以下同)

日本電気(NEC)は8月28日、国連世界食糧計画(WFP)と技術提携したことを発表した。WFPの食糧支援の受益管理システム「SCOPE」(スコープ)において、NECがITと生体認証に関する知見を提供する。スコープにおけるデジタルIDを用いた本人確認や履歴管理について、システムの評価と改修を共同で実施していくという。

NECは「Bio-IDiom」という生体認証システムを開発している。指静脈や指紋、顔画像などに基づいた本人確認が可能。声紋や耳音響、目の虹彩による認証にも対応している。

Bio-IDiomは2020年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピックでも、選手と関係者の入場管理システムとして導入が決定している。この技術を応用し、WFPのシステムを再評価する。食糧支援の受益者管理における、最良のプラットフォームの構築を目指すとしている。

NECの生体認証システム「Bio-IDiom」は2020年の東京五輪でも入場管理に活用される予定だ

NECはデジタルIDの一種としてブロックチェーンを活用した自己主権型IDの開発・運用についてワーキンググループを発足し、複数社と共同で研究を進めている。一方、WFPも難民への食糧支援にブロックチェーンを活用する実証実験を行っていた。

今回の取り組みはプラットフォームとして機能し、WFP以外の人道支援機関も利用できるシステムとして完成することを目標に掲げる。発表内で明記されていないものの、最終的に複数機関が関わる性質上、受益者データベースとしてブロックチェーンを活用するメリットは十分にありそうだ。