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中国カナン社、GPU比5倍以上のイーサリアム用マイニングマシンを発表

サードパーティ製の新型ASICは現行のEthashに対応

※写真はイメージです。実際のASICマシンとは異なります(Image: Shutterstock.com)

仮想通貨マイニング世界2位の中国カナン・クリエイティブ(Canaan Creative)は9月26日、新型のEthereumマイニング用ASICマシンを発表した。中国で23日まで開催のニューエラマイニングサミットで明らかとなった。イベントを取材したCryptoSlateの報道によると、同社の新型ASICは、市販のGPUによるマイニング対して、5.3倍から7.5倍もの採掘効率を持つという。

カナンの新型ASICは、Ethereumの現行のPoW型コンセンサスアルゴリズム「Ethash」に対応する。CryptoSlateの報道によると、わずか0.68Wの電力で秒間1メガハッシュを実現する。これは、AMD製のRX470比で5.8倍、Vega64比で7.5倍の電力効率でマイニングを行えることになる。この新型Ethereum用ASICは、設計・開発はサードパーティによるもので、販売のみカナンが行うとのこと。

カナンは、AvalonMinerというBitcoin用のマイニングマシンを開発・販売している中国企業。仮想通貨マイニング事業では、中国ビットメイン(BITMAIN)に次いで世界2位の売上を有する。

強力なASICマシンは、ブロックチェーンネットワークの分散化を阻害し、セキュリティの低下を招く恐れがある。Ethereumでは、次々回以降のアップデートでコンセンサスアルゴリズムを更新する可能性があり、コミュニティはその是非について議論を進めている。次期コンセンサスアルゴリズム「ProgPoW」は、ASICマイニングへの耐性を高め、Ethereum2.0移行時のセキュリティの担保を行う。今回のカナンの発表は、その実装の是非にも影響を与えるだろう。