仮想通貨(暗号資産)ニュース
世界の主要取引所、英金融当局による仮想通貨デリバティブ禁止に反対声明
FCAの個人投資家向け販売禁止方針に国際取引所連合がけん制
2019年10月8日 15:23
ニューヨーク証券取引所や東京証券取引所、ロンドン証券取引所など世界の主要取引所が加盟する国際取引所連合(WFE:World Federation of Exchanges)は10月7日、英金融当局である金融行為監督機構(FCA)が、仮想通貨を基に組成される金融派生商品(デリバティブ)などの個人向け販売禁止に動いていることに対し、反対する声明を出した。
FCAは7月、英国における個人投資家向け仮想通貨デリバティブの販売禁止方針を発表。専門家との協議を10月3日に終え、2020年に禁止措置を導入する計画だ。FCAは、仮想通貨デリバティブはボラティリティが大きく、価格の急変動で突然の予期せぬ損失を被る恐れがあり、知識が不十分な個人には金融商品として不適合だと説明し、禁止によって最大で年間2億3430万ポンド(320億円相当)の損害が回避できると試算する。
一方WFEは声明で、仮想通貨の取引プラットフォームが消費者保護の仕組みを整えており、また、デリバティブは市場参加者にとって有益で新しいビジネスの機会になると反論。「WFEのメンバーである取引所は完全に規制されているため、仮想通貨デリバティブを取引する個人投資家のリスクを減らすことができます。FCAは革新的な商品を取引することと、消費者保護の間で、適切なバランスを見つける必要があります」と主張した。
また、FCAが予定通り禁止措置に踏み切る場合は、「国際市場の分裂を避けるため」一定期間の検証を要求した。
WFEのNandini Sukumar最高経営責任者(CEO)は「仮想通貨デリバティブは可能性を秘めている一方、市場は規制されていない業者が不適切な商品を出すことを懸念しています。厳格な規制要件に準拠し、消費者保護を組み込んだ市場インフラが必要です。私たちは、FCAを含む当局が、市場が繁栄し、消費者に利益をもたらすように、適切な規制を導入することを求めます」と述べた。