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三菱総研と近鉄、伊勢志摩で地域デジタル通貨「近鉄しまかぜコイン」を運用開始

チャージ時に10%のプレミアムが付属し譲渡も可能。11月から翌年1月まで提供

伊勢志摩の観光名所夫婦岩。周辺施設の賓日館でも地域通貨を利用できる(Image: Shutterstock.com)

三菱総合研究所(以下、MRI)は10月16日、近鉄グループホールディングスと協力し、伊勢志摩地域でのデジタル地域通貨「近鉄しまかぜコイン」の運用を開始することを発表した。両社は過去3度にわたって地域デジタル通貨の社会実験を行ってきた。その成果に基づき、実験ではなく実用化を行うという。同コインの発行は11月11日から翌年1月31日までの期間行われ、同地域の加盟施設で利用できる。

地域通貨はスマホアプリから利用でき、発行される地域通貨は1コイン=1円相当。利用前に所定の施設でチャージを行う必要がある。その際、購入額の10%がプレミアムとして加算されるという。ハイブリッド決済に対応し、固定QRコードによる決済と、店舗端末決済を利用できる。また、利用者同士でコインを譲渡することも可能だ。

近鉄しまかぜコインは、両社がこれまでに大阪市で行ってきた「近鉄ハルカスコイン」と、大阪上本町駅で実施した社会実験と同様に、MRIのブロックチェーン技術を活用している。プレミアム付きのデジタル地域通貨の発行により、更なる旅客誘致を図り、同地域の競争力を高めることを目指すという。

地域通貨の利用先は、志摩スペイン村などの伊勢志摩地域のリゾート施設が対象となり、宿泊代や飲食代、物販などの支払いに使える。提供期間が年末年始頃に設定されており、主な利用者は旅行客となるだろう。その点で、利用者同士での譲渡が可能という点はメリットになる。例えば家族連れの旅行客で、父親が飲食代などをまとめて地域通貨としてチャージしておき、必要に応じて子供に渡すという使い方もできる。