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シャープ親会社・鴻海の郭台銘前会長、台湾版リブラの実現に意欲

中国がブロックすることはチャンス。「ハイテク技術を施政に生かすべき」

鴻海精密工業・創設者の郭台銘氏=2019年6月22日撮影(Image: glen photo / Shutterstock.com)

日本の家電大手シャープを傘下に持つ鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)前会長が、「台湾版Libra(リブラ)」の実現に意欲を表明した。

鴻海は世界最大のEMS企業で、iPhoneの製造を受託していることで知られる。また、2016年には経営危機に陥っていたシャープを買収した。鴻海を一代で世界企業に育てた郭氏は2019年、台湾総統選出馬を目指し鴻海の会長を辞したが、野党の予備選で敗れた。

郭氏は10月3日に台湾で開かれたイベントに登壇。Facebookの仮想通貨リブラについて勉強していることを明かし、「台湾はこの技術を導入すべきだ」と述べた。

郭氏は、Facebook(フェイスブック)へのアクセスをブロックしている中国政府が、リブラもブロックするであろうことに言及し、「だからこそ、台湾にとっては素晴らしい機会になる」と語った。

郭氏は「半導体技術にしても、マイニング技術にしても、台湾はこれまで投機とみなしてきた。しかし今は、これらの技術は経済の本流になっている」と述べ、台湾版リブラの実現のために、専門家を招いて検討を進めていく考えを表明した。

台湾総統選に名乗りをあげるなど、政治にも深い関心を持つ郭氏は、台湾がハイテク技術にオープンな立法環境を整えるべきだとも主張。「ハイテク技術を施政にも生かし、技術駆動型の経済モデルを確立すべきだ」と訴えた。