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カナダ、中銀デジタル通貨発行を具体的に検討

Facebookの影響で加速した各国のCBDC開発に追従

(Image: Shutterstock.com)

カナダの中央銀行であるカナダ銀行は、中央銀行のデジタル通貨(CBDC)について、より深い検討を進めている。現地経済メディアのThe logicが10月15日に報道した。

報道によると、スティーブン・ポロズ(Stephen Poloz)総裁をはじめとするカナダ銀行の理事はこのほど、「中央銀行マネー:次世代」と題されたプレゼン資料を基に、カナダで望ましいCBDCのありかたについて議論した。

プレゼン資料はCBDCを、既存の仮想通貨がもたらす「直接的な脅威」に対抗し、人々のお金の流れをより正確に追跡できる通貨と位置づけ、導入当初は現金と共存させ、しだいにデジタル通貨に一本化することを提言した。

プレゼン資料は、CBDCが中央銀行に裏付けられた資産という「安心感」と、電子決済の「利便性」「セキュリティー」を提供するとして、複数のメリットを列挙する一方、「CBDCは決済システムをより安定させるが、銀行の低コストでの資金調達にはリスクをもたらす」とマイナス点を挙げた。

また、国民が保有するCBDCに利息を支払うオプションと、より多くの情報を収集する機能も提案。「個人情報の詳細は通貨の受取人とは共有されないが、警察や税務当局と共有される可能性がある」と説明した。

カナダ銀行の2018年7月の調査では、カナダ人の5パーセントがビットコインを所有していることが明らかになっている。同行は2013年からデジタル通貨の研究を進めているが、今回より踏み込んだ検討を行ったのは、Facebook(フェイスブック)が仮想通貨Libra(リブラ)を発表したことが刺激となり、中国など各国でCBDCの開発が加速していることが背景にあるようだ。

プレゼンは「銀行券が支払い手段として時代遅れになり、銀行システム全体に問題を引き起こす可能性がある」と警告し、「私たちがゲームにとどまるために革新が必要だ」と主張している。