仮想通貨(暗号資産)ニュース

世界最大級の児童ポルノサイト摘発。韓国人運営者逮捕

ビットコイン取引を追跡し世界中のユーザー・投稿者337人も一斉摘発

(Image: Shutterstock.com)

米司法省は10月16日、世界最大級の児童ポルノサイト「Welcome To Video」の運営者である23歳の韓国人ジョン・ウー・ソン(Jong Woo Son)容疑者を起訴したと発表した。同サイトを巡っては、捜査機関の国際協力体制が組まれ、コンテンツを投稿・購入していたイギリス、ドイツ、サウジアラビア、カナダ、アイルランド、スペインなど38カ国の337人が一斉に逮捕された。また、性的虐待の被害者だった23人の未成年が救出された。

Welcome To Videoは違法コンテンツが100万回以上ダウンロードされており、コンテンツはビットコインで購入されていた。米内国歳入庁(IRS)犯罪調査チーフのドン・フォート(Don Fort)氏は、暗号通貨の取引履歴追跡ソフトを提供する調査会社Chainalysisの協力を得て、ウェブサイトの管理者や関係者を特定したことを明らかにした。

ダークウェブの児童ポルノ摘発に18か国が協力した(英国家犯罪対策庁より引用)

サイト運営者特定にChainalysisのソフト使用

Welcome To Videoはサイトに登録したユーザーに、入金用のビットコインアドレスを送信。ビットコインを介してコンテンツを売買していた。

IRSなどの捜査チームは同サイトの仮想通貨の取引を追跡するため、Chainalysisに協力を依頼。Chainalysisのソフトでブロックチェーンのトランザクションを分析し、サイトの投稿者とユーザーをあぶりだした。ブロックチェーンから得られた証拠は英国、韓国、ドイツ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、チェコ、カナダ、アイルランド、スペイン、ブラジル、オーストラリアの捜査機関と共有された。追跡の過程でWelcome to Videoが複数の仮想通貨交換所から資金を受け取っていることが判明し、各交換所とも連絡を取ることで捜査の進展につながった。

児童ポルノサイト周辺のBitcoinの流れ(Chainalysisより引用)

ビットコイン3800万円分が支払いに使われる

米国、英国、韓国の警察機関は2018年3月にサイトを強制閉鎖し関係者を逮捕。過去最大規模である8テラバイト相当のコンテンツを押収した。登録されたビットコインアドレスは約130万件あり、2015年から3年間で、35万3000ドル(約3800万円)相当のビットコインが支払われていた。

IRSのフォート氏は、「ビットコイントランザクションの高度な追跡によって、捜査チームはダークネットサーバーの場所を特定できました。世界中の子どもたちの安全を脅かしたこの犯罪企業はもはや存在しません」と成果を誇った。

Chainalysisは、プレスリリースで「サイバー犯罪は国境を越えます。Welcome to Videoには、世界中にユーザーとコンテンツ投稿者がいました。摘発には国を超えた警察機関の協力も不可欠でした。今回の捜査は、世界中の警察機関がブロックチェーンの情報を証拠として、どのように使用できるかを理解するのにも役立ちました」とコメントし、「当社の製品が違法サイトの閉鎖に貢献したことを誇りに思っています。ブロックチェーンへの信頼を構築するというミッションを前進させることができました」と述べた。