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ビットコインはインターネットの歴史になぞると何年頃なのか?

ブロックチェーンはNetscapeが登場した1994年頃に似ている=ビットコイン研究所

(Image: Shutterstock.com)

「ブロックチェーンは革命的な発明だ」と言われることが多い。また、インターネット誕生以来、最大の革命だと評されることも少なくない。もともとは仮想通貨Bitcoin(ビットコイン)の基盤技術として考えられた仕組みだが、その応用範囲は仮想通貨の取引に限らず、決済や海外送金等の金融分野への応用、AIやIoTと結び付いてさまざまな産業での活用が期待されている。

しかし、期待の声が多く聞かれる一方で、ブロックチェーンを応用した実用に堪えるビジネスはまだまだ少ない。その多くは、実証実験中であったり、何か課題を抱えていることも多い状況だ。そういったブロックチェーンの現状は「インターネットが流行り出した頃にそっくりだ」と、インターネット応用ビジネスの歴史になぞり語る人も多い。

インターネットも普及当時は、通信速度やセキュリティ等の問題を抱えながら「課題は多いが、大きな可能性を秘めている」技術だと評されることが多かったのだ。

では、ブロックチェーンがインターネットと同じ歴史をたどるとしたら、今現在、ブロックチェーンはどのような時期を迎えているのだろうか。

会員制オンラインサロンのビットコイン研究所が、その参考になる記事を掲載している。10月16日掲載の「今のビットコインはインターネットの何年くらいなのか?」が、まさにそれを考察している。

インターネットとビットコインの普及率の比較

ビットコイン研究所は、始めに両者の普及率を比較している。記事は、Internet telecommunications Unionの調査報告から、世界のインターネット普及率を典拠している。2018年、世界のインターネット普及率は48%程度。先進国では81%だが途上国では41%と、そこにはまだ格差があるという。

黎明期、インターネットビジネスが誕生し始めた1980年代後半は、先進国の普及率は11%程度、世界となると2%だったそうだ。

インターネット・バブル、通称ドットコム・バブルと称された1999年から2000年にかけて米国市場を中心に起きたIT関連企業への投資、異常な高潮のあの時代でさえ、その普及率は31%だったという。

そこから、スマートフォンが出現した2007年くらいから10年をかけて、ようやく途上国でも12%から41%へと大きく普及率を向上させたのが、インターネットの世界とのこと。

では、ビットコインの普及率はどうか?

ビットコイン研究所は、日本、米国、韓国、イギリスなど各メディアが算出した断片的なデータをまとめている。

日本は7.8%(2019年、IITmediaより引用)、米国は6.2%(2019年、CryptoPotatoより引用)、韓国は7.4%(2019年、coinreaders.comより引用)、イギリスは4%(2018年、YouGovより引用)となっている。ちなみに各調査の正確性はそれぞれ精査できていないので、あくまでも参考程度の値になるが、それでも先進国でのビットコイン普及率(保有率)は、ざっくり6%から7%程度ではないかと推測される。

これを、インターネットの歴史になぞると1996年以前だという。今のビットコインは普及率の点においては、1994年から1995年くらいだろうと、ビットコイン研究所はいう。ちなみに、Amazonの創立が1994年だ。

インターネットへのアクセスを切り開いたNetscape(ウェブブラウザー)が出てきたのがちょうどこれくらいの時期。Windows 95の時期とも重なっている。ビットコインやブロックチェーンにおいてNetscapeに当たるものは、Lightning Networkなどセカンドレイヤー関連技術なのではないだろうかと、ビットコイン研究所は推測する。

本当のバブルはこれからか

ビットコインやアルトコインは、2017年に相場が急騰し、ある種バブルを経験しているが、インターネットの歴史になぞると、普及率や技術の成熟の観点からのバブルは、まだ数年先になるだろうとビットコイン研究所は考察する。

2020年、ビットコインは次の半減期を迎え大きな節目となる。インターネットの普及率と比べても、まだまだ伸びしろがある。インターネットの歴史でいうと、Googleが登場したのは1998年、Facebookは2004年、Twitterは2006年だ。ビジネスの観点からも本当の革命的なサービスやプロジェクトが立ち上がるのも、まだ時間的猶予がありそうだとビットコイン研究所は推測する。

インターネットが検索エンジンやソーシャルメディアで飛躍的に成長したのと同様に、ビットコイン(ブロックチェーン)がティッピングポイント(小さな変化が大きな変化に変わる地点)を迎えるには、スケーラビリティ、鍵管理、プライバシーなどいくつかの課題の変革、発明が必要そうだ、と記事は結んだ。

ビットコイン研究所は、ブロックチェーンの歴史上で、今後どういうものが登場し、そして爆発的に普及を推し進めるのかはまだ未知数の部分も多いが、インターネットに関する歴史を漁ったことで、まだまだビットコインにもワクワクが残っている部分があることが実感できたと感想を述べている。