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ビットコインコア開発者がハッシュレートデリバティブ取引プラットフォームを開発

新サービスPOWSWAPは、マイナーのリスクヘッジを可能にするか?

(Image: Shutterstock.com)

ハイスクール時代にBitcoin(ビットコイン)に興味を持ち始め、マサチューセッツ工科大学(MIT)ではDigital Currency Initiative(DCI)やビットコインクラブを創設し、またビットコインのコア開発者でもあるJeremy Rubin(ジェレミー・ルービン)氏が、ビットコインのハッシュレートを対象とするデリバティブ取引をトラストレスに行うことができる新サービス「POWSWAP」を発表した。

POWSWAPは、まだ開発途中のプレアルファ版の段階だが、斬新なアイデアかつジェレミー氏が発表するプロジェクトだけに、すでに注目を集めつつある。

POWSWAPについて

公式サイトの発表によると、POWSWAPはスマートコントラクトを活用し、ノンカストディでトラストレスなハッシュレートデリバティブの取引プラットフォームだという。要するに自動かつ非管理信託なハッシュレートデリバティブ取引が実現する。マイナーにはハッシュレートの低下に対するリスクヘッジ、HODLer(保有派)には金利収入、マーケットメイカーには流動性供給の対価としての利益が得られるものになるようだ。

ジェレミー氏はツイッターでPOWSWAPには、仲介者なし、エスクローなし、そしてオラクルがないことも告げている。オラクルがないというのは、決済時に参照すべきデータの提供元が必要ないという意味だ。

POWSWAPは現在、ビットコイン上で動作する。POWSWAPコアは「ブロックデルタコントラクト」を活用して、ビットコインのハッシュレートと変動を自動検出し、変動状況に合わせて決済を行うことができると公式からは発表されている。POWSWAPプロトコルの基本となるハッシュレートコントラクトは、理解するのも簡単であるという。

また、POWSWAPはデフォルトでは「掲示板」を介して注文を中継するという。すべての中継注文は、少額の手数料を支払う必要があるようだ。いずれも、公式サイトの一文による説明のため、具体的な仕様は今のところ不明である。

最後に

POWSWAPは実際に使用されるまで多少時間がかかるだろうという意見もある。しかし、ハッシュレートに対するヘッジ手段を提供するオプションの提案は面白いともいわれている。また、既存の金融商品のデリバティブ取引のトラストレス化が、本当に魅力があって現実に受け入れられるかどうかは、POWSWAPのような新しいツールの成功がカギを握っているのではないだろうか。まだ、POWSWAPはプレアルファ版のため、その可能性は未知数であり、課題などが見えてくるのもこれからだろうが、気になる存在なのは間違いない。

※参考記事
ビットコイン研究所
11月14日掲載「ハッシュレートのオプション取引を提供予定のPOWSWAP」より