仮想通貨(暗号資産)ニュース

イーサリアム開発者の逮捕にヴィタリックが反論

「ネットに公開済みのことを北朝鮮で話すと逮捕」は不当と主張

(Image: Shutterstock.com)

米国政府によるイーサリアム財団(Ethereum Foundation)の開発者バージル・グリフィス(Virgil Griffith)氏の逮捕に関して、関係者らが各自の見解を示している。Ethereumの考案者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は12月2日、グリフィス氏の逮捕に賛同しない旨の連続投稿をTwitter上で行った。

ブテリン氏は、北朝鮮の暗号通貨カンファレンスに出席したことで逮捕、告訴されているグリフィス氏とは親しい間柄だったという。また、今回のコメントに関して、イーサリアム財団とは無関係で、ブテリン氏の個人的な見解であるとした上で、逮捕を妥当としない複数の根拠を示した。

ブテリン氏によると、今回逮捕の原因となったグリフィス氏の北朝鮮への渡航に関して、イーサリアム財団は指示も支援も行っておらず、「グリフィス氏の個人的な旅行」であり、関係者の多くは渡航に反対していたという。

ブテリン氏は、「グリフィス氏が、北朝鮮が悪事を働くのを手助けしたとは思わない。氏はオープンソースのソフトウェアについて、その公開情報に基づいてプレゼンテーションを行っただけだ。腕利きのハッカーが『特別な指導』を行ったわけではない。また、グリフィス氏は今回の北朝鮮への旅で、個人的な収入を得ていない」とし、グリフィス氏の講演内容がネットワーク上に公開された情報に過ぎず、違法性がないと主張した。

Commerc.ioのCEOであるエンリコ・タリン(Enrico Talin)氏も、Medium上にグリフィス氏の無罪を主張する投稿を行った。タリン氏はグリフィス氏を「平和の男」と評し、彼が行ってきたEthereum Classic Summit「let’s make Peace」での登壇や、イスラム金融へのETHの導入要件に関する研究、北朝鮮で開かれた「ブロックチェーンと平和」カンファレンスでのスピーチといった平和的活動を示した。

タリン氏とグリフィス氏は互いの研究について助言し合う間柄で、タリン氏から見たグリフィス氏は、「世界の地域格差を本気で憂いている人物」だという。タリン氏は、グリフィス氏が北朝鮮で話した内容が「インターネットに公開済みの情報ではない」とする根拠がないことを指摘し、アメリカ市民の言論の自由が制限されていると主張した。