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仮想通貨は2030年に現金を代替、鍵握るのはGAFAと中国BATX

ドイツ銀行がレポート。ウォレットユーザーは2億人に

(Image: Shutterstock.com)

ドイツ銀行は2030年の金融業界をめぐる世界を展望するレポート「イマジン2030」を公表し、今後10年で仮想通貨が現金の代替品になる可能性があると指摘した。

「たとえば、GAFA (Google、Apple、Facebook、Amazon)、または中国のBATX (Baidu、Alibaba、Tencent、Xiaomi)のいずれかが規制のハードルを克服できた場合、仮想通貨の魅力は大きく高まり、普及が早まります。最終的に現金に取って代わる可能性が出てきます」

ドイツ銀行はこう記載し、米中のメガIT企業が規制当局の懸念をクリアする商品・サービスを出せるかどうかが普及の鍵だと分析。仮想通貨はこれまで金融業界の「追加商品」だったが、2030年までに「代替商品」になりうるとした。

レポートは仮想通貨の特性であるセキュリティ、スピード、安価な取引手数料、保管の容易さが、デジタル時代の資産として優位性を高めるとした。さらに「消費者の約3分の2が現金支払いよりもキャッシュレス決済を好み、3分の1が個人情報の漏えいを懸念しています。仮想通貨はこれらの問題の解決を得意としており、インフレが発生すると代替通貨の需要はより高まるでしょう」と述べる。プライバシーへの意識の高まりが、仮想通貨を「21世紀の現金」の座に押し上げると主張した。

一方でレポートは、仮想通貨が現金を代替するためには、その存在が合法的に認められることが不可欠だとも指摘。それによって価値が安定し、大手企業の導入が進むと分析している。

ドイツ銀行は、ブロックチェーンウォレットのユーザー数が2030年に2億人に達すると予測。少額の現金決済は残るものの、スマートフォンとインフラのデジタル化によって、プラスチックのカードは徐々に淘汰に向かうと予想した。