仮想通貨(暗号資産)ニュース

仮想通貨マイニング世界1・2位の中国企業が米国でIPO申請

首位ビットメインでは共同創業者追放の内紛も

(Image: Shutterstock.com)

仮想通貨採掘(マイニング)で世界最大手のビットメイン(Bitmain、比特大陸)が米証券取引委員会(SEC)に上場申請を行ったことが、中国メディア「テンセントニュース」の報道で明らかになった。上場アドバイザーはドイツ銀行。

ビットメインは2018年に香港証券取引所に上場を申請したが、翌年3月に審査の期限が切れ、申請が失効した。2018年はビットコインの価格低迷により、マイニングマシンの売り上げが停滞。ビットメインは巨額の損失計上やリストラを余儀なくされ、それが上場失敗の一因になった。

報道によると、同社は米国での上場の成功に向け、ナスダックの前中国首席代表である鄭華氏を顧問に迎えた。

同じく中国企業で、マイニング世界2位のカナン・クリエイティブ(Canaan Creative、嘉楠 耘智)も10月28日、SECにIPOを申請。仮想通貨市場の回復で業績が改善している2社は、米国で捲土重来を図ろうとしている。

ビットメインをめぐっては、共同創業者の一人、呉忌寒(ウー・ジーハン)氏が10月29日、もう一人の共同創業者、詹克团(ジャン・コートゥアン)氏の全職務を解除し、オフィスを出入り禁止にしたと社内メールで通知している。

ウー氏は「私がマネジメントを担当し、ジャン氏が技術を担当していると考えている社員もいるが、彼は技術ではなく、自分の権利や欲望を満たすことに夢中で、虚栄心の塊だ。彼を社内に置いておくわけにはいかない」と語ったとも伝えられる。

テンセントニュースによれば、ビットメインのIPO申請は、ジャン氏の追放より前に行われ、今後のIPOに向けた手続きへの支障は少ないとみられている。